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感情を抑えるような淡々とした文章に切なくなりました…。 短いお話の中に【私】の想いが詰められていて、凄く素敵でした。
歩く2人を見る
そうか、そうなのか
そういうことなのか
そういうものなんだ
何もわからないくせに
妙に納得した。
納得して、
踵を返した。
走った。
走った、走った。
震える足に鞭を打った。
いつの間にか爪が手のひらに食い込んでいた。
息が切れるまで走った。
苦しくなって足を止めた。
手のひらから血が出ていた。
なにかが、ぷつりと切れた。
久しぶりに、声を上げて泣いた。
主人公の当て馬やライバルは
最後に2人の幸せを願うものだ。
でも
私なんて、2人の視界にも入っていなかったと思う。
ライバル、なんて図々しい。
せいぜいモブの立場で。
ねぇ、だから
どうせ叶わないんだから
馬鹿みたいに、
『幸せにならないで』なんて
願ってもいいですか?