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あの日から、紫耀と△△ちゃんの関係が 気になって不安な毎日が続いていた。

けれど、この気持ちを紫耀に 伝えることは出来なかった。

紫耀との関係性は相変わらずなまま。

決定的な何かがあったわけではないけど、 私に対してそっけない態度は 変わらなかった。

なかなか会えないから、会話という会話は できていないし、会えたとしても、 一言二言のやり取りで終わり。

''今日は何時に帰ってくる?,, 私は毎日のように聞くようになっていた。

○○

今日って何時頃に帰ってくる?

この日も紫耀に聞いてしまう

紫耀

・・・わからない。

紫耀はどうしたって目を見てくれない。

○○

今日だけは早く帰ってきてほしいです。

紫耀

・・・早く帰れたら。

そう言うと紫耀は仕事へ行った。

下を向いたまま淡々と答える紫耀を 見ながらこの状況はいつまで続くんだろうと思った。

今日だけは早く帰ってきて欲しかった。

私達が付き合って3年目の記念日 だったから。

盛大なお祝いなんてできないけど 紫耀と一緒に過ごしたいと思っていた。

今日をきっかけに前みたいに紫耀と話せる ようになったらいいなと思っていた。

本当は記念日は口実でしかすぎなくて どこか冷たくなってしまった紫耀の心を 取り戻したかった。

いや、本当は・・・

私のことをまだ好きでいてくれているのかを確かめたかっただけなのかもしれない。

何時に帰ってくるのかだけ知りたくて紫耀にメールしてみる。もちろん、 すぐに返信はない。

紫耀が帰ってくる前に準備を済ませて おこうと思った。

部屋の飾り付けも頑張ってみた。

紫耀の好きなものをたくさん作ったし、 今年はお祝いのケーキも作ってみた。

紫耀も喜んでくれたらいいなと思いながら準備をしているとさっきまでの モヤモヤしていた気持ちも少しだけ晴れる 気がした。

浮かれすぎてシャンパンを 買っていなかったことを今になって 思い出した。

慌てて近くのお店まで買い物に行く。

お酒があまり強くない紫耀でも大丈夫 そうな度数の低いシャンパンを選ぶ。

これだったら大丈夫かな? 急ぎながらも選ぶこの時間が幸せだった。

お店を出て急いで家へ戻る。 信号待ちの赤信号さえもどかしい。

紫耀が帰ってきてたらいけない、、。

急がないと、、。

えっ、、、、?

紫耀、、、、?

私の視線の先に 紫耀を見つけた。

どうして、、?

視線をそっと横に落とすと、 紫耀の横には△△ちゃんがいた。

マスクをしていても、 帽子を被っていても、 私は絶対に紫耀を見間違ったりしない。

どうして2人でいるの、、?

今日だけは早く帰ってきて とお願いしたのに。

どうしてそんなに無防備に並んで 歩いているの、、?

私と歩く時は必ず 距離を空けていたのに、、。

私はいつも紫耀の背中を 見て歩いていたのに、、。

いつか一緒に並んで歩きたいと思っているのに、△△ちゃんとだったら 簡単にできるんだね。

頭が真っ白なまま、 その場で紫耀に電話をかける。

お願い、、 電話に出て、、

紫耀は携帯の画面を見ると 私からの電話に出ることなく、 そのままポケットに入れた。

そして何も無かったかのように また△△ちゃんと楽しそうに話し出した。

今この目で見た光景は嘘なのかな、、 私は夢を見ているのかな、、 信じたくない気持ちを抱えたまま、 家へ戻った。

携帯の画面を開く メールの返事も 折り返しの電話もない。

もう一度だけメールをする

"今どこ?,,

すぐに既読がついた。

そう思った時 紫耀から返事が来た

''まだ仕事,,

・・・嘘つき。

つづく

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