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みか

やっと試験終わったー! 今日はラテで乾杯だ!

亜由

そうだねー。来週からまた吹奏楽部の練習が始まるからひとときの自由を楽しも。

亜由

恒例の試験終わりのファミレスでの打ち上げ会。

ユウタ

楽しもう!

ユウタ

つか柔道部のオレも二人の打ち上げ会におじゃましてるけど良かったん?

みか

聞く前にいつも来てるくせにー。

みか

ウソ。全然大丈夫。うちら幼なじみでしょ。

亜由

そうよ。みかとは小学生の頃から、私とユウタなんか幼稚園の頃からの付き合いだもんね。

みか

亜由は小さい頃いじめっ子に泣かされてはユウタに助けてもらってたんだってねー。

亜由

昔の話だよー。それに泣いてなんかなかったよ。

みか

どーだか。(≧▽≦)

ユウタ

亜由は変に意地っ張りだから、泣くの我慢してたけど、眼に涙をいっぱいためてオレの方見とった。

みか

ほらね〜。ケラケラ

亜由

昔の事なんでもういいっしょ。

亜由

あ、サラダバーに行こうかな。

ユウタ

サラダ取りに行ってやるよ。 みか、ドレッシングは?

みか

シーザーでお願い。あざーす。

ユウタ

亜由はあの夕焼け色のでいい?

亜由

うん、オーロラサウザンアイランド。いつもありがとう。

みか

亜由、あんな気の利く優しいやつ、逃したらもったいないよ。

みか

彼氏に昇格って気はないん?

亜由

ないよー。

亜由

幼なじみでお兄さんって感じしかない。

亜由

向こうも私の事、妹みたいにしか思ってないしね〜。

みか

いーや、そんなはずないよ。ユウタは亜由一筋だからね。

みか

やっぱり微笑み王子ことマサキ先輩の事が忘れられないとか?

みか

片想いなんてむなしいだけだよ。

亜由

あ、マサキ先輩が歩いてる。

みか

まぼろしよまぼろし。マサキ先輩は大学生で、こんな所には…

みか

あ〜、本当だ。舗道を歩いてるよ。この街に帰ってきてるのかな。

亜由

前よりすてきになったね。普通のセーターがあんなに似合って品がある…。

みか

うっとりしちゃって。彼女いるんだよ。しかも超美人のね。

亜由

別に彼女の座なんてねらってないの。

亜由

ただ見るのが好きなんだ。

みか

ハイハイ。先輩、このお店に入るのかな。んなわけないね。似合わないもん。

みか

ソファで紅茶とか飲んでそう。

亜由

一緒に紅茶飲めたらステキだろうな。

みか

だったら告白すればいいのに。

亜由

だめよ。

みか

確かに先輩の彼女のカオリさん、モデルみたいにきれいだからね。

みか

あ〜あ、生まれ変わったらあんないい女になってスカウトされたいわ〜。ね、亜由?

亜由

いや、私はそんな事なくて…いや、その…。

みか

何なの?はっきりしない子!

半年前のある放課後…

亜由

吹奏楽部の部室にペンケース忘れちゃった!取りに帰らなきゃ。

亜由

あ、誰かいるのかな。話し声がする…。

亜由

え、マサキ先輩?

マサキ

カオリのために頑張ってるんだ。なぜ分かってくれないの?

カオリ

そんないかにも尽くしてるって押し付けがましさがキライなのよ。

パシッという平手打ちの音

マサキ

痛い!

亜由

うっ…そ

カオリ

こんなもの!

マサキ

それは僕が誕生日にプレゼントしたネックレス!

カオリ

だから何なの?あんたといると気が狂いそうよ。こうしてやる!

マサキ

やめろよ。先生の指揮棒を手にするのは。

ピシッと叩きつける音

マサキ

痛っ!

ファミレスで考え込む亜由

みか

ねえ、どうしたの?亜由ったらボーッとして。

亜由

何でもない。私は生まれ変わったらマサキ先輩の家のネコになって先輩を癒やしたい。

亜由

マサキ先輩ってネコ大好きでしょ?ネコだったらキレイでなくてもいいもん。

みか

はっ?ネコですか?はあー。

みか

確かに先輩の飼ってるネコって見た事あるけど、割にブサ猫だったわ。

ユウタ

何?どーしたん?

亜由

何でもないよ!^_^; サラダ、ありがとう。

みか

ありがとう!こんな天然な親友を見放さないでいてくれて^_^;

それから七年後…

店員

子猫を探しているんですか? こちらにかわいいニャンコいっぱいいますよ。

店員

確か…大学教授さんですよね?前にもいらっしゃいましたよね?

マサキ

まだ講師なんです。

マサキ

はい、前に買った猫が秋に亡くなったので淋しくてつい足が向きました。

マサキ

おっ!

店員

あらあらこの子ったらとびだしてだめじゃない!

マサキ

いや、大丈夫。ビックリしただけ。それにしても人懐っこい子猫ですね。

店員

いつもは臆病で大人しいニャンコなんですけどね。

マサキ

こんなに慣れて、僕の胸から出ていこうとしない。

マサキ

この子にしようかな。

店員

そう、懐く子がいちばんですよ。

店員

どうしたんですか?

マサキ

ん、前の子はあまり懐いてくれなかったからついうれしくてね。

店員

このニャンコもうれしそう。

マンションの部屋で…

子猫

ミャァミャァ

マサキ

さぁこっちへ。

マサキ

こら、なんでそこを踏むんだよ!シワになるだろ?

マサキ

くぉらー!言う事を聞け!

バシッと叩きつけられる猫の音

子猫

ウーウー…。ミィーミィー…

マサキ

あ、いて!よくも引っ掻いたな!

マサキ

なんでなんだ?お前は僕の事を好きなんじゃなかったのか?

マサキ

なんでそんな眼で見る!?

棒を振り回す音

マサキ

コラ!逃げるな!

マサキ

しまった!窓が開けっ放しだった。あいつ、二階のベランダから滑り降りてるぞ。

街路樹で

あい

パパ、夕焼け小焼けだね。あいちゃん、夕焼け小焼け大好き。

ユウタ

ああ、きれいだな。

あい

あれ、ネコちゃんだ!パパの方に向かって走ってきてる!

ユウタ

うわっ!なんだ、こいつ。オレの胸めがけて跳び跳ねてきたんだけど!?

ユウタ

ブルブル震えてるぞ。

子猫

みぃみぃ…みぃみぃ

あい

ねぇ、このネコちゃんうちで飼おうよ。

マサキ

ハァ、ハァ…。

マサキ

その子猫、僕の飼ってる猫なんです。

マサキ

ご迷惑をおかけしました。こちらに頂けますか?

ユウタ

ハイ? でもこんなに震えて怯えてオレにしがみついているんですよ。

ユウタ

あれ、もしかしてマサキ先輩ではないですか?秀明西高校で吹奏楽部の部長だった?

マサキ

え、僕を知っているんですか?

ユウタ

オレ、柔道部だったんですけど、あの頃って楽器の運搬に柔道部が駆り出されていたでしょ?

マサキ

そう言えば見覚えがあるような。ああ、困ったな。

ユウタ

え?ネコの事?でもこいつ、ビクともしませんけど、本当に先輩のネコなんですか?

ユウタ

おーよしよし。

マサキ

実は今日、ペットショップで買ったばかりの猫なんだ。

あい

あ!おじさんの指から真っ赤な血が出てるー!

ユウタ

ホントだ。血が出ていますよ。大丈夫ですか?

ユウタ

わ、手、意外と傷だらけですね。

ユウタ

あ、おまえ行くのか?

ユウタ

ネコ、腕からすり抜けて行った。やっぱ飼い主が分かってるんだな。

マサキ

え、ほ、本当かな。

ユウタ

ほら、飼い主さんの所に戻った。

あい

ホントだ。ネコちゃんを連れて帰りたかったのにな。

ユウタ

確か先輩は大学の先生してるんですよね? オレはこの先のホームセンターに勤めているんですよ。部屋の模様替えをする時はヨロシク。

マサキ

あ、ああよろしく。じゃ、また。

あい

行っちゃったね。

ユウタ

あいちゃん、なんで首をかしげてるん?

あい

パパの真似をしてるんだよ。なんでこんな風にしてるの?

ユウタ

あの子ネコね、眼に涙いっぱいためてパパの方を見てた。

ユウタ

ずっと昔にもこんな事あったなって思い出してたんだよ。

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