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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

案内人

皆様

案内人

お久しぶりですね

案内人

そして、初めてのお方は

案内人

お初にお目にかかります

案内人

私は名も無き案内人です

案内人

今宵は皆様を

案内人

1000メートルの道のりに

案内人

ご案内するために

案内人

馳せ参じました

案内人

では

案内人

今回はアチラの

案内人

蒼い扉をお通り下さい

案内人

足元と忘れ物

案内人

それから…

案内人

いえ

案内人

これ以上はいけませんね

案内人

では

案内人

行ってらっしゃいませ…

私は葵

今年で二十歳を迎える

しがない大学生だ

しかし、私は

青空を仰ぎながらとても後悔している

こんなにも空は青く澄んでいるというのに

私の心は曇ってゆく

強風が吹いて

顔が痛い

まぁ、それも良いものだ

100メートル

どうやら私は

弟のリュックサックと間違えて

持ってきてしまったらしい

まずいな

もう、後戻りは

できないと言うのに…

200メートル

私は弟のリュックサックを漁ると

ポテチとそして何故か

習字セットが入っていた

習字セットなんていつぶりなのか…

そしてこれは一体何に使うのだ?

300メートル

先程弟から文句のメールが来た

やはり、アイツも気づいたか…

相変わらず短期だこと

それが弟の可愛らしさなのだが

そして、どうやらこれは

夢では無いらしい

400メートル

弟の習字セットを開封し

たまたま、揃っていた事に感謝しつつ

もう、どうせ

家には帰らないのだから

手紙を書こうと思う

おっと…

しまった

墨汁を落としてしまった

ごめんなさい

500メートル

今の状況をなんと言えばいいか…

鳥たちが私を取り囲んでいる

こんなモノはアニメでしか

見たことないのだが…

あっ、くすぐったい!

やめろってんだよ!

結局

数分間突き回された…

痛い…

600メートル

しばらく鳥たちと戯れたが

ちょうど昼時なので

胃袋が食べ物を欲しがっている

リュックからポテチを取り出し

開封…のはずが

そこら辺にぶち撒けるは

鳥たちに食べられるはで

3枚しか食べられなかった…

700メートル

段々やることが無くなってきて

暇になる

とっくに鳥たちは飛んでいってしまうし…

ついでならば

写真を撮り

それを弟や友達に送りつけてしまおう

ついでにうっすらと遠くに見える

赤いやつでも撮っておくか

………

暇だし

800メートル

おや?

先程見えた赤いのは

鳥居だったのか

しかし…あれは神社?なのか…?

まぁ、いい

しかし、あんなに小さかった鳥居も

近づけば大きくなるのだな…

900メートル

いつもとは違う角度から見る鳥居は

これはこれで味があるものだ

今のうちにイン○タかツ○ッターに載せたら

トレンド入りできるかな?

よぉし

綺麗に撮れたししばらく待つか…

あはっ

やればできるものなんだな

1000メートル

嗚呼

着いてしまった

まさかこんなにも

早くに

イクナンテ…

−END−

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