案内人
皆様
案内人
お久しぶりですね
案内人
そして、初めてのお方は
案内人
お初にお目にかかります
案内人
私は名も無き案内人です
案内人
今宵は皆様を
案内人
1000メートルの道のりに
案内人
ご案内するために
案内人
馳せ参じました
案内人
では
案内人
今回はアチラの
案内人
蒼い扉をお通り下さい
案内人
足元と忘れ物
案内人
それから…
案内人
いえ
案内人
これ以上はいけませんね
案内人
では
案内人
行ってらっしゃいませ…
葵
私は葵
葵
今年で二十歳を迎える
葵
しがない大学生だ
葵
しかし、私は
葵
青空を仰ぎながらとても後悔している
葵
こんなにも空は青く澄んでいるというのに
葵
私の心は曇ってゆく
葵
強風が吹いて
葵
顔が痛い
葵
まぁ、それも良いものだ
100メートル
葵
どうやら私は
葵
弟のリュックサックと間違えて
葵
持ってきてしまったらしい
葵
まずいな
葵
もう、後戻りは
葵
できないと言うのに…
200メートル
葵
私は弟のリュックサックを漁ると
葵
ポテチとそして何故か
葵
習字セットが入っていた
葵
習字セットなんていつぶりなのか…
葵
そしてこれは一体何に使うのだ?
300メートル
葵
先程弟から文句のメールが来た
葵
やはり、アイツも気づいたか…
葵
相変わらず短期だこと
葵
それが弟の可愛らしさなのだが
葵
そして、どうやらこれは
葵
夢では無いらしい
400メートル
葵
弟の習字セットを開封し
葵
たまたま、揃っていた事に感謝しつつ
葵
もう、どうせ
葵
家には帰らないのだから
葵
手紙を書こうと思う
葵
おっと…
葵
しまった
葵
墨汁を落としてしまった
葵
ごめんなさい
500メートル
葵
今の状況をなんと言えばいいか…
葵
鳥たちが私を取り囲んでいる
葵
こんなモノはアニメでしか
葵
見たことないのだが…
葵
あっ、くすぐったい!
葵
やめろってんだよ!
葵
結局
葵
数分間突き回された…
葵
痛い…
600メートル
葵
しばらく鳥たちと戯れたが
葵
ちょうど昼時なので
葵
胃袋が食べ物を欲しがっている
葵
リュックからポテチを取り出し
葵
開封…のはずが
葵
そこら辺にぶち撒けるは
葵
鳥たちに食べられるはで
葵
3枚しか食べられなかった…
700メートル
葵
段々やることが無くなってきて
葵
暇になる
葵
とっくに鳥たちは飛んでいってしまうし…
葵
ついでならば
葵
写真を撮り
葵
それを弟や友達に送りつけてしまおう
葵
ついでにうっすらと遠くに見える
葵
赤いやつでも撮っておくか
葵
………
葵
暇だし
800メートル
葵
おや?
葵
先程見えた赤いのは
葵
鳥居だったのか
葵
しかし…あれは神社?なのか…?
葵
まぁ、いい
葵
しかし、あんなに小さかった鳥居も
葵
近づけば大きくなるのだな…
900メートル
葵
いつもとは違う角度から見る鳥居は
葵
これはこれで味があるものだ
葵
今のうちにイン○タかツ○ッターに載せたら
葵
トレンド入りできるかな?
葵
よぉし
葵
綺麗に撮れたししばらく待つか…
葵
あはっ
葵
やればできるものなんだな
1000メートル
葵
嗚呼
葵
着いてしまった
葵
まさかこんなにも
葵
早くに
葵
イクナンテ…
−END−