唯夏
あのさ
唯夏
本当に申し訳ないんだけど・・・
唯夏
今日は放課後デート行けない
唯夏
急用出来ちゃって・・・ごめん!!
瀧
分かった
瀧
大丈夫だよ
何かあったのかもしれない
そう思いながらも何も聞けなかった
瀧
(それにしても珍しいな)
瀧
(唯夏、今まではデートを断ったことなんてなかったのに)
確実に何かが動いていたのに
俺は何もできなかった
瀧
はぁぁぁぁぁぁ・・・
塁斗
瀧!!
瀧
・・・うぉあっ、びっくりした
瀧
塁斗かよ
塁斗
塁斗かよって酷いなぁ〜
塁斗
・・・あ、そっかァ
塁斗
お嫁さんだと思ったのか〜ごめんよォ俺は唯夏って名前じゃねぇんだぁ〜ニヤ
瀧
バッ!!そんなんじゃねぇし・・・
瀧
お、お嫁って誰だし・・・
塁斗
まぁそう照れなさんなって〜
瀧
・・・
瀧
・・・
瀧
・・・
塁斗
おい、瀧てめぇなんかしゃべれぇっ!!
瀧
う、うるせぇなぁ
瀧
俺今忙しいんだ
塁斗
いや、登校してるだけじゃんか
瀧
考え事してんだよ!!
瀧
ちょっと・・・色々あってな。
塁斗
そうか
塁斗
なんか・・・真面目なことなんだろうな。
瀧
あぁ・・・
俺はあのリアルな夢が頭から離れなかった
塁斗
・・・聞いたよ
塁斗
唯夏ちゃん、病気なんだってな
瀧
な、なんでそれを・・・
塁斗
唯夏ちゃんが話してくれたんだ
塁斗
それで・・・瀧が最近おかしいから元気なかったら訳を聞いて慰めてあげてって言われたんだ
瀧
おかしいって酷いな
塁斗
いや、ココ最近のお前は確かにおかしいよ
瀧
はぁ?
瀧
俺はいつでも完璧だ!
塁斗
いやいや、おかしいよ
瀧
あぁもう・・・
塁斗
・・・何が、あった
瀧
・・・
塁斗
話してくれよ
瀧
・・・分かったよ
瀧
実はさ・・・これももう唯夏から聞いてるかも知れねぇけど
瀧
あと1ヶ月くらい経ったら唯夏は記憶喪失になっちゃうんだ
塁斗
き、記憶喪失?!
瀧
お、おう
瀧
これ・・・言っちゃダメだったやつか?
塁斗
いや・・・分からないから唯夏ちゃんには黙っておくよ
瀧
それで・・・昨日、夢を見たんだ
塁斗
夢・・・?
瀧
めちゃくちゃリアルな夢だし、タイムリーだった
瀧
唯夏が・・・記憶喪失になった夢を見たんだ
瀧
リアルすぎて・・・辛かった
瀧
あれが現実になるかもしれないって思うと涙出そうでさ
塁斗
そうか・・・
塁斗
まぁ、それは・・・辛いよな
塁斗
俺だって大事な人に忘れられた夢を見たら怖くなるかも知れない
塁斗
だけど!
塁斗
唯夏ちゃんはお前の笑ってる顔を見たいと思うぞ
瀧
笑ってる顔、か
塁斗
あぁ
塁斗
唯夏ちゃんは
塁斗
お前を忘れることが怖いし辛くてたまらないんだって言ってた
塁斗
あ、これ、内緒だぞ?
塁斗
唯夏ちゃんは・・・
塁斗
瀧には笑っていてほしいんだって言ってた
塁斗
瀧
塁斗
お前は
塁斗
笑顔で笑ってろ
瀧
でも・・・!
塁斗
分かってるよ
塁斗
お前が苦しいってことも、笑いたくても笑えないことも。
塁斗
だけどさ
塁斗
お前の事だ
塁斗
唯夏ちゃんを幸せにしたいって思ってるだろ・・・?
瀧
・・・うん
瀧
そりゃ、そうだよ
塁斗
だから無理してでも笑え
塁斗
そしたら絶対、心から笑える時も出てくるだろうから
その時俺は
唯夏の笑顔が頭に浮かんだ
唯夏が俺のこと好きって思ってくれてるなら・・・
瀧
わかった
瀧
・・・なるべく、だけどな
塁斗
ょぉーし!
塁斗
あ、やべえじゃん
塁斗
あと五分でホームルーム始まるぞ!
瀧
・・・うわぁっ!
瀧
ほんとだ
瀧
走ろうぜ
俺は
ちゃんと心から笑って唯夏を幸せにすることが出来るだろうか