ジーナの同僚
ジーナさん
ジーナ
はーい
ジーナの同僚
刑事さんがあなたに会いたいって来てるわよ
ジーナ
刑事さん?
ジーナの同僚
ヴィクター・ラングって人
ジーナ
…えぇ、ありがとう
ジーナは他の指導員に交代をお願いすると、ヴィクターが待つロビーへと降りた。
ヴィクター・ラングは普段の気難しそうな表情に似合わない笑顔でいた。
ヴィクター
その節はどうも
ジーナ
まだなにか?
ヴィクター
ヴィクター
以前、あなたに会いに来た男を覚えていますか?
ヴィクター
ネルソンという名前の
ジーナ
ジーナ
あぁ、あの嫌な男
ジーナ
覚えてますよ、思い出したくありませんけどね
ジーナ
それがなにか?
ヴィクター
遺体で見付かりました
ヴィクター
殺されたんです
ジーナ
本当ですか?
ヴィクター
本当です
ヴィクター
それでですね
ヴィクター
我々がここに伺ったときですが
ヴィクター
あなたがネルソンとどんな話をしていたのかを知りたくて
ヴィクター
今日はこちらにお邪魔しました
ジーナ
あれは会話というより
ジーナ
あの男が一方的に私に質問を浴びせてきたんです
ヴィクター
どんな質問をされたんですかね?
ジーナ
どうしてそんなことを教えなくちゃいけないんです?
ヴィクター
なにかまずいことでも?
ジーナ
そういうんじゃありません
ジーナ
ただ、どうも私が怪しまれてるみたいな気がしたもので
ヴィクター
怪しんでるわけじゃありません
ヴィクター
殺されたネルソンと最後に話をされたと思われるのは
ヴィクター
今のところあなただけですからね
ヴィクター
解明のため、伺うのが当然です
ヴィクターの鋭い目を見たジーナは、少しの躊躇いの後、口を開いた。
ジーナ
マックスのことです
ヴィクター
マックス・アンダーソン?
ジーナ
ネルソンは彼のことを聞きました
ヴィクター
具体的にマックスのどんなことを?
ジーナ
人柄とか仕事の様子とか
ジーナ
どうしてあんな探偵みたいなことをしてきたのか
ジーナ
今でも不思議に思ってます
ヴィクターは考えるように唸ってから、手帳に聞いた話を書き留めた。
ジーナ
刑事さん
ジーナ
あの男とメアリーたちを殺した犯人は同じなのでしょうか?
ヴィクター
気になりますか?
ジーナ
正直、ネルソンって男は私は嫌いですが
ジーナ
昔の仲間が殺されていることには憤りを覚えているので
ヴィクター
ヴィクター
恐らく同一人物でしょう
ヴィクター
まだ不確かですが
ヴィクター
ネルソンは独自に事件を調査し
ヴィクター
これも推測ですが、犯人の正体に気付いたんでしょうね
ヴィクター
しかし、警察には報せず脅迫の体勢に入った
ヴィクター
それで、逆上した犯人に殺されてしまったのだと思います
ジーナ
自業自得ですね
ヴィクター
しかし、殺しは殺しです
ヴィクター
ネルソンは小悪党ですが
ヴィクター
私は必ずこの事件の犯人を捕まえてみせますよ
ジーナ
ジーナ
刑事さんはどちらだと思っているんです?
ヴィクター
なにがです?
ジーナ
エレノアの死
ジーナ
自殺か他殺のどちらだと思っているんです?
ヴィクター
それを今の捜査で導き出すつもりです
ジーナ
ジーナ
えぇ、今帰ったところ
ジーナ
ジーナ
心配しなくても大丈夫よ
ジーナ
ジーナ
えぇ、ちゃんと言われた通りに言っておいたわ