ある暑い夕方の事。 仕事が終わった帰り道。 いつものように汗ばむ体を 汗の着いた腕で拭いながら、 とぼとぼ駐車場まで歩いていた。
6月下旬の頃だった。 その日は例年より格段に暑くて 歩いたら汗をかく 今にも蝉が泣きそうな、 そんな暑さだった。
陸
暑い。疲れた。
陸
はぁ。
陸
明日も仕事か。
陸
帰って風呂はいって。
飯食って歯磨いて寝たら
また6時間後には起きて
もう家を出てる。
飯食って歯磨いて寝たら
また6時間後には起きて
もう家を出てる。
陸
はぁ。しんどい。
陸
何のために働いてんだ?俺は。
何のために生きてんだよ。
何のために生きてんだよ。
陸
ん。?
金融会社
不在着信
陸
。。。
陸
はぁ。金、無いって。
陸
。。。
陸
これからずっと生きてても、
なんの取り柄もないだろ。
なんの取り柄もないだろ。
陸
。。。
陸
もう。死ぬか。
陸
でも死ぬとしたらどうやって死ぬかだよな。
陸
楽に死ねる方法無いかな。
?
おーい!
陸
。。。
?
おーい!若いの!
陸
(なんだ?俺の事か?)
?
なんだ?俺の事か?って今思ったそこのお前さんだよ!!
陸
(え!?)
陸
(怖。)
陸
あ、はい?
?
やっと気づいた!ほんと耳遠いなお前は!!
陸
え、すみません。
っと、なんですか?
っと、なんですか?
?
あのな、お前にちょっと話があるんだよ。
陸
なんですか。話って。
?
まぁまぁ、とりあえずこっち来い!
?
俺と話そうぜ!
その男は、白髪が多く、 背は俺より少し小さかった。 ただ来ている服は最近の流行りでは無いような、ちょっと風変わりな服を着ていた。
陸
早くしてくださいね?
俺これから忙しいんで、
明日も仕事なんで。
俺これから忙しいんで、
明日も仕事なんで。
?
わかったわかった!
知っとる知っとる!
知っとる知っとる!
陸
え。(なんで知ってんだ。怖。)
?
ってか。さっきから見てたけど、なんだそのダラダラした歩き方は!
?
男なら胸張って堂々と歩けよ!
陸
はぁ、すみません。?(え、なんで俺怒られてんの。?)
?
怒ってないぞ!叱ってるんだ!
陸
(何だこの人。
やっぱ心読まれてんじゃん。)
やっぱ心読まれてんじゃん。)
陸
(怖。。)
?
そもそもそんな元気なさそうに歩いてたら、幸せも訪れんからな!?
陸
ちょ、ちょっと、待ってください!
陸
なんなんですかさっきから!
陸
ダラダラしてるだの、元気ないだの
なんでそこまで言われなきゃダメなんですか!
なんでそこまで言われなきゃダメなんですか!
陸
あなた誰なんですか!?
?
ん?俺?
?
俺は陸だよ。
陸
。。。
陸
はぁ。な、名前同じですね。
?
そうだ!
そして生まれた日も、
性格も。
そして生まれた日も、
性格も。
陸
。。。
陸
え。?
?
俺はお前だ。陸。
つづく。