楓
「早く年金貰って楽になりたい」
楓
高校生が思うことでは無いだろう。だが俺(高2)は、小学生の頃からずっと考えている。
楓
そんな考えで生きてる俺には友達がいない。人に気を使い自分の時間を削られることのどこがいいのかと考えてしまうからだ。
楓
楓
チャイムが鳴りみんなだんだん輪を作っていくのが見える。
楓
「音楽でも聴くか。」
楓
バックから周りの声を遮断してくれるウォークマンを取り出す。
楓
そういえばお前は入学当時からの仲だな。これからもよろしく頼むぜ。
楓
俺はそう言って授業が始まるまで眠りに着いた。
楓
楓
授業はしっかり聞いている方である。先生にいい印象を与えておけば何かと都合がいい。それに友達がいない俺からしたら唯一学校に来てる理由だからだ。
楓
「さて、さっさと帰って続きを見よ。」
楓
学校で頑張った分家では満喫する。
楓
これが小学生の頃からの俺のルーティーン。結構いいものだぜ?
先生
「おい、宮川ー!今日の日誌お前担当だろ?早く職員室に提出しとけよー」
楓
しまった…。
楓
今日が日直の日だったことを思い出す。
楓
ため息をつき、机の横にかかっている日誌を広げる。
楓
「さっさと終わらせないと電車に間に合わ……ん?」
楓
俺は3秒間、目を開いたまま棒になる。
人生は楽しい?
楓
俺が今日の1日を書こうとした枠にガサツに何重にもなぞって大きく書いてある。
楓
「これはイタズラってより質問されているのか?」
楓
楓
「そんなことを考えている暇はない。」
楓
俺は力強く消しゴムを握りしめ、波を描くように上から下へと何回も動かした。
楓
そして何週間かたち日誌を書く日が来た。
楓
「とっとと済まして早く帰ろうっと。」
楓
この時にはもうあの時のことは忘れていた。
楓
やる気のない顔で日誌を開く。
楓
だが、そこにはまた堂々と大きな字で描かれていた。