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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

キィ……バタン

koji

……

hikaru

…あ、ごめん
起こした?

koji

……

hikaru

…うーん…笑
そういえば名前なんて言うの?

koji

……

hikaru

…まぁ……怖いよね…

照の問いに少年は答えない。 目も合わせない。

hikaru

あと…さっきご飯持ってきたんだけど、食べれそう?

照は近くのテーブルに置いていた食事が乗った御盆を持って少年の前に差し出した

koji

……

しかし少年は首を縦に振ることも横に振ることもしない。少年は感情を失っていた。

hikaru

怪しいものは入ってないから
お腹空いたら食べてみて

hikaru

トイレはそこの扉開けたら
あるから

そして部屋を出ていく照を見て 少年は首を傾げた 何故、自分を殴らないのだろう。犯さないのだろう…と。

hikaru

……

ryohei

あ、照。

hikaru

ん?

ryohei

あの子の情報見る?

hikaru

…名前はあの子から知りたい
境遇だけ教えて

ryohei

…分かった

亮平は照に調べた情報を教えた

ryohei

4歳の頃に事故で両親を亡くして、親戚の家を転々としている内にその中の一人にオークションに売られて、

ryohei

そっからオークションで売られ買われを繰り返してたみたい

ryohei

基本的に玩具として扱われて、
まぁ…肉便器みたいな。
暴力もあったみたいだから、そういうのが色々重なって

ryohei

感情、失っちゃったんじゃないのかな

酷い話だ。と照は少年の境遇に 同情と怒りを覚えた。

hikaru

あの子を売った又は買った奴
調べてくれ

ryohei

それはいいけど…
なに、殺るの?

hikaru

あの子と同じ苦しみを
味わってもらうだけだから

ryohei

……調べたらまた言うね

hikaru

あぁ、よろしく。

翌朝

hikaru

ふわぁあ…おはよ、舘さん

ryota

おはよう、照

ryota

悪いんだけど、
目黒とラウール起こしてきてくれる?

hikaru

あー分かった。
アイツらいい加減アラームかけろよな…

照は面倒くさそうに頭をかきながら 蓮とラウールの部屋に向かった

hikaru

おい、おい目黒!

ren

……

hikaru

……朝飯抜きな

ren

起きます、今すぐ起きます

hikaru

それでよし。

hikaru

ラウールーー
起きろーーー

raul

んん……

hikaru

初遅刻すんの?お前

raul

それは嫌だっ…!

hikaru

じゃあ起きろ

raul

はいっ…

蓮とラウールを起こすと照は次に 少年の部屋へと向かった

ガチャ…

hikaru

…!? え、ちょ、
なんで床で寝てんの!?

koji

……

hikaru

……ベッドで寝ていいから…

照が少年の部屋に入ると 少年はベッドではなく、床に横たわって寝ていた。まるでこれが当たり前とでも言うように

hikaru

ご飯…は食べてないか

机の上に置かれたままの御盆の上の食器を見てそう呟いた。 そして少年を抱き抱えると部屋を出た。

hikaru

よし、じゃあ洗うよ

koji

……

抱き抱えて向かった先は浴場 椅子に座る少年の体は骨が浮かんでいるのがよく分かり、肉はまるでついてなく、痣や傷がたくさん残っていた

hikaru

はい、目瞑って

koji

……

ぎゅう…

hikaru

……ふっ…笑
かわいいな 笑

目を瞑ってという言葉に ぎゅうっと固く目を瞑る少年に 照は愛らしさを感じた

hikaru

……ん、もう目開けていいよ

koji

……

hikaru

じゃあ湯船浸かろっか

少年を支えながら一緒に湯船に浸かる照 少年は少しだけぽかぽかとした気持ちになった

koji

……

hikaru

…それ気になる?

koji

…あひぅしゃ…

hikaru

…………え?

koji

あひぅしゃ…

hikaru

え、えっ…!?
喋っ…えっ……??

今までずっと声を発さなかった少年が 湯に浮かぶあひるを見て声を出した

hikaru

あ、あひるさん
気に入った…?

koji

ぐぁ、ぐわ…

hikaru

ッ゙……(悶)

10歳になっても滑舌と語彙が 幼いのは学校に行ってないせいと 暴力、性行為のせいだろう

hikaru

そろそろあがろっか

koji

……あひぅしゃ…、、

hikaru

あー…それ一応ラウールのだったしなぁ……聞いてみるか

raul

行ってきまーす

ren

行ってきます

hikaru

っちょっっと、待ってラウール!

raul

岩本くん?…と……

koji

……

hikaru

ラウールが小学生の頃
大事にしてたあひるのやつあるじゃん?

raul

うん

hikaru

それ、あげてもいい…?
気に入ったみたいで…

raul

あぁ全然いいよ!
てかお風呂入っただけで大分
印象変わったね~!可愛い!

hikaru

だろ?

raul

なんで
岩本くんがドヤってんの笑

ren

……

hikaru

あひるさんいいって。

koji

……あ、ぃ、あとごじゃ、ま…

raul

えまって何この可愛い生物
ねぇ俺が保護しちゃダメ?

hikaru

ラウールだけ独占すんのはダメ

hikaru

ほらさっさと学校行った!
遅れるぞ!

raul

う~…!!
帰ったらたくさん構うからね!

ラウールは名残惜しそうに家を出た 蓮は特に興味を示さず、ラウールと照達の会話が終わると家を出た

hikaru

よかったな、

koji

……

hikaru

…名前、知りたいな

koji

……じ…こ、じ……

hikaru

こぉじ?

koji

……

hikaru

そっか、こうじ……こうじね!
ありがとう教えてくれて。

照はくしゃとした笑顔で笑った。

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