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タイムスリップカー

タイムスリップカー

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タイムスリップカー

♥

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2019年08月31日

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ゆうじ

だぁああ

ゆうじ

づがれだぁああああ~

あ、そうだゆうじ

ゆうじ

なに母さん?

今度のお盆休みママのお母さんの家に行くついでに沖縄ツアーなんてどうかしら?

ゆうじ。いいじゃないか。沖縄なんてここ4年ほど行けてないだろう?

ゆうじ

んまぁそーだけど

お空の上のひいおばあちゃんにも、大きくなった姿見せてあげなさいよ

ということでどうだ?ゆうじ

ゆうじ

俺はー、別にいいかなあ

俺は海が嫌いだ。 だから沖縄ツアーなんて反吐が出る。 あれは俺が8歳の頃 近くの海に家族4人で出かけた。 そしてその日の昼、ばあちゃんと俺ととうまで海へ行き、その一週間後、家族3人で家まで帰った。 その日の昼頃、綺麗な貝殻を追いかけてとうまは沖へと姿を消した。 数ヶ月に及ぶ捜索も虚しく、とうまは果てしなく続く海へと消えたという、幼い頃の記憶が脳裏に蘇る。 海は俺のトラウマなんだよ。 ばあちゃんも嫌いだ。 「せっかくここまで来たんだから珊瑚探しに行こう。」 と、行くたびにいつも海へ連れ出される。勘弁してくれ。 だが俺の小さな抵抗は虚しくもみ消され沖縄ツアーへ出発した。

わぁ。私が住んでた頃とは随分と変わったわねえ

そうか?

そうよぉ~。あんな大きなビルなんてなかったもの~

祖母

あ、紀子~

お母さん!久しぶり~
元気にしてたー?

祖母

60過ぎるともう腰が痛くてね~。

私もあと20年もすればお母さんみたいになっちゃうね

祖母

んもう。ほんとにそーよ?

お義母さんお久しぶりです。いつ見てもまだまだお若いですね~

祖母

あらぁ~。お口がお上手なこと。全く紀子いい人を捕まえたわねぇ

もーやめてよ~。恥ずかしい。

祖母

しょうがない娘ねぇ。こんな紀子預けられるのあなたしかいないわよぉ

いえいえそんな。滅相もないですお義母さん。僕は好きで紀子さんと一緒にいるので。

もー、この話は終わりっ!
私たちおばあちゃんに顔出してくるね。

ゆうじ

ひいばあちゃんのお墓行くんだよね?

そーよ?もちろんとうまも一緒にね。

祖母

お参りが終わったらうち来なさい。今日から一週間はうちに泊まるといいよ

元々そのつもりよ~

じゃ、いこうか

ゆうじ

俺、行かなくてもいい?

なんでだゆうじ?

ゆうじ

その、とうまのお墓もあるでしょ?
見るの、辛いんだ。

そ、そう
じゃあお母さん家で待ってなさい

ゆうじ

ううん。久しぶりの沖縄だし、散歩でもしとくよ

そうか

遅くならないようにね?

ゆうじ

うん。じゃ、6時には帰るよ

ゆうじ

いってきます

5:50

ゆうじ

わ、やべ。戻らねぇと

???

ガァーガァッガッガガァー

ゆうじ

い、いでぇっ

ゆうじ

んだよお前。なにすんだっ

ゆうじ

もうやめっ…って、もう何もしねぇのか?
こっち見てる

???

カッカッガァガッ

ゆうじ

なんでだ。ついて行かなきゃ絶対後悔する気がする。
ついて行こう。

ガサッガサッ

ゆうじ

んだよっ。なんでこんな山奥、、
ってもう6:30だし。

ゆうじ

おいカラスっ
どこまで行くんだよっ

???

カッカッガァ

ゆうじ

なんだこれ。

ゆうじ

ボロボロの車?
高そうだけど、苔だらけで錆び付いてる。

ゆうじ

おいカラス
こんなののためにここまで連れてきたのか?

???

ガッガァッ

ゆうじ

なにこれ?
字が薄れてて読みにくいけどなんか書いてある。

運転席に座ってアクセルを踏め。 過去をとりもどせる。

ゆうじ

は?ばかばかしい

???

ガアアアアアアアアアアッ

ゆうじ

っ…わかったよ
アクセル踏めばいいんだろ?

グンッ

ゆうじ

(あ、なんか、ぼやけて…)

バタッ

ゆうじ

はっ。
って、さっきと同じ場所…って、車が綺麗…?

とうま

やっと目が覚めた!
もー、お兄ちゃんこんな所で昼寝しちゃだめじゃーん!

ゆうじ

は?お前誰?

とうま

何言ってんの。とうまだよ

ゆうじ

は?とうまは死んで…

とうま

え…お兄ちゃんっ、僕に死んで欲しいってこと??
お兄ちゃんのバカァァァ

ゆうじ

は?あっ、ちょっ、まてっ

ガササッ

ゆうじ

これ、ばあちゃんち?

ゆうじ

なんか、塀いつもより白い?綺麗な花も植えてある…

ゆうじ

って、とうま(?)が中にっ

とうま

ねぇばあば~
お兄ちゃんが僕に死んで欲しいって~

祖母

だめでしょっゆうじ!

ゆうじ

…かあさん?

祖母

やだもう。ばあばよ~。そんなに若く見えちゃってるのかしら♡

ゆうじ

あ、いや、別に

祖母

んもう、男の子なんだからハッキリしなさいよ~?

祖母

そうだ。そろそろ暖かくなってきたし珊瑚でも取りに行きましょうか

とうま

いぐぅうううう!!!!

祖母

相変わらず元気がいい事ったら

祖母

ゆうじもいらっしゃい

ゆうじ

え?あ、うん。

海岸にて

とうま

ばぁばあ!
こんなおっきいのあったあ

祖母

うわぁ。こんなおっきいの初めて見た!とうまはすごいねぇ

とうま

うへへへへぇ

とうま

あ!おっきくて綺麗な貝殻あるっ
あれほしい!

ゆうじ

(え?貝殻?はっ)

ゆうじ

まてとうまっ!

とうま

なあに?おにいちゃん

ゆうじ

あ、えっとぉ…

ゆうじ

あ、危ないからお兄ちゃんが取ってきてあげるよ

とうま

え!!、?ほんと?
ありがとぉ!!

ゆうじ

あ、うんいいよ。

ゆうじ

ほら。どうぞ

とうま

うわぁ。きれー
ありがとっお兄ちゃんっ

ゆうじ

…おう

ゆうじ

(何となくわかってきた。あの車に乗ったせいで俺は過去に来た。ここに居るのは7歳の俺と5歳のとうま。あの車のブレーキかなにかを踏むと戻れそうだ。
そしてとうまが死んだ原因は阻止できた。俺が過去から帰ったらそこにとうまはいるのだろうか。
今日はもう暗い。明日、帰ろう。)

ゴケゴッコーッオオオオオ

ゆうじ

ん。朝か

ゆうじ

あの車の所に行こう

とうま

ん。お兄ちゃん?どこ行くの?

ゆうじ

ちょっとそこまで、ね?

とうま

ん。?わかったあ

ゆうじ

(確か来た道はこうだ。)

ガサガサっ

ゆうじ

あ、ほんとにあった。
よし。このブレーキを踏む、、

ゆうじ

ってとうま!?
あいつ、着いてきてたのか!?
でも俺もうブレーキ踏んだよっ

とうま

いやぁあああやめてぇええ

ゆうじ

黒マスクの男?誘拐…!?
あっ、車がっ

ゆうじ

とうまぁあああああ

とうま

兄ちゃん助…

バタンっ

ゆうじ

ボロボロの車…
よし。もどってる。

ゆうじ

とりあえず家に戻ろう。

ゆうじ

(あの妙にガタイのいい黒マスクの男達誰だったんだ。)

ガササッサッ

ゆうじ

ただいまー

ゆうじ

(やべ。怒られる)

祖母

ああおかえり。時間ぴったりね

ゆうじ

え?今日っていつ…?

何言ってんの。ゆうじ今日沖縄来たばっかりでしょ~?

ゆうじ

…は?

ゆうじ

(あの変なカラスに会ってから時が進んでない?)

ゆうじ

ばあちゃん、とうまは?

祖母

何言ってるの。もうおそらの上よ…

ゆうじ

あ、だよね、。

ゆうじ

(そういえばあの時うよマスクの野郎に誘拐?されてた。
ってことはとうまはこの地球のどこかに…まだ生きてる?)

ゆうじ

あ、あのカラスっ!!

バタンっ

おいゆうじ!どこ行く!?

祖母

ゆうじ!?

どこ行くの!?

ゆうじ

あのカラスだ。あいつに聞けばいいんだ。確かこの辺りで会った…。
はっ!いたっ!

ゆうじ

おいおまえ!!とうまはまだ生きてるんだな!?どこにいる!?!お前は誰だ!!

カラスは一声「カー」と鳴いた。 そのカラスから小さな紙切れが落ちた。

四つめの命。つゆの国に有り。 私は気まぐれな神の使いです。

ゆうじ

四つめの命…は、とうまだよな。
つゆの国…露(つゆ)、、ロシアか!?

ゆうじ

とうまは生きてるのかっ!!

後で調べて分かったことなのだがカラスは神のお供えを奪っても唯一許されるという特別な存在なのだという。 俺は今から勉強して働いて、ロシアにとうまを探しに行こうと思っている。

それから必死な毎日を送ること15年。俺は友人と会社をつくっていた。運良くその事業は成功し、人脈も増え、金も手に入った。そして今。俺はロシアへと旅立つ。

存在するのかすら未確認の、露の国に密かに眠る、第4の命を求めて。

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コメント

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