私のアール

わたしおくじょうでくつを

脱ぎかけたときに

三網の先客に、こえをかけてしまった

ねぇ、やめなよ

口を次いででただけ

ほんとはどうでもよかった

先を越されるのが、何となくしゃくだった

三網のこは語る

どっかで聞いたようなこと

うんめいのひとだった

どうしても愛されたかった

ふざけんな！

そんなことぐらいで！

私の先を越そうなんて！

ほしいものがてにはいらないなんて

奪われたことすらないくせに！

話したら楽になったって、三網のこは消えてった

今日こそはとくつを脱ぎかけたときに

背の低い女の子

またこえをかけてしまった

背の低いこは語る

クラスでの孤独を無視されて奪われて、

居場所がないんだって

ふざけんな！

そんなことぐらいで

私の先を越そうなんて！

それでも家では愛されて

美味しいご飯もあるんでしょ？

おなかがすいたと泣いて、背の低いこは消えてった

そうやって何人かにこえをかけて追い返して

私自身の痛みは誰にも言えないまま

はじめて見つけたんだ

にたような悩みのこ

何人目か似合ったんだ

黄色いカーディガンのこ

うちに帰る度に、ふえつづけるあざをけしさってしまうため

ここに来たのと言った

口を次いででただけ

ほんとはどうでもよかった

おもってもいないこと

でもこえをかけてしまった

ねぇ、やめなよ、、

あぁ、どうしよう！

この子は止められない！

私には止めるしかくがない！

それでもここからは消えてよ！

君を見ていると苦しんだ

じゃあ今日早めておくよって

目を伏せたまま消えてった

今日こそは誰もいない

私一人だけ

誰にも邪魔されない

邪魔してはくれない

カーディガンは脱いで

三網をほどいて

背の低い私は

今から飛びます