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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

う”ッ……、頭いたッ…!!

ここ、どこ…?

目が覚めると、夢は冷えきった何も無い部屋に閉じ込められていた。

椅子に座らされた状態で、手足は椅子にロープで固定されていた。

そうだ…私、あの路地裏で誰かに後ろから…

誰も、いないのかな?

ガチャッ

夢が不安げに辺りを見回していると、部屋に唯一あった扉が開かれた。

???

やあ、久しぶりだね

…ッ……!?

???

ふっ…どうやら、私のことを覚えているようだね

当たり前でしょ…忘れることはない

この人は和田っちを撃った、曉牙のボス

小暮 俊水…!!

なんで…私を攫ったの?

小暮

うーん、そうだな…端的に言えば

小暮

君をコロすためだ

小暮

以前剣が引き受けた任務の延長だよ

でもならなんで、私が起きるまで待ってたの?

小暮

まあ、そう考えるよな

小暮

ただコロすだけなら、今の今まで生かす必要も無い

小暮

だが君には、まだ生かしておく価値があるんだ

価値?

小暮

そうだ

小暮

君は…私が、梵天にスパイを送り込んでいることを知っているかな?

…ッ……(コクッ

夢は小暮の言葉に、小さく頷いた。

小暮

なら話は早いな

小暮

私はそのスパイを使って、今まで奴らからたくさんの情報を抜き取ってきた

小暮

しかしそのスパイでも、手に入れることが出来ない情報もあってね

小暮

幹部すらも知らない、梵天の首領のみが知る極秘情報があるはずだ

小暮

君なら、それを知っているんじゃないか?

何それ…私、そんなの知らなっ…

バシャッ

すると夢が言い終えるより先に、小暮が持っていた水を夢にかけた。

小暮

知らないはずはないだろう

小暮

スパイからの情報によれば、君は幹部以上に佐野万次郎と深く関わっている

小暮

首領室にだって入ったことがあるだろう

小暮

君は何か知っているはずだ

さっきからスパイって言ってるけど、それって誰なの?

私、蘭ちゃん達以外の社員さんとは、ほとんど関わってないよ

小暮

何を寝ぼけたことを言っているんだ?

小暮

一人いるぞ、君とほぼ毎日のように関わっていた社員が

何それ、そんな人いないよ…

小暮

……入れ

ガチャッ

すると小暮の背後にあった扉が開かれ、一人の人物が部屋に入ってきた。

???

………………

え…?

路地裏…

………いない

やっぱり路地裏の表示は、落とした方のピアスか…

蘭はそう言って、足元にあった夢のピアスを拾い上げた。

夢ちゃん…

カランッ

ん?

なんだこれ…

蘭の足元には、血の付着した鉄パイプが転がっていた。

なんで、こんなものがここに?

あれ…もしかしてこれ、夢ちゃんの血…!?

だとしたら夢ちゃんは…

くそっ、とにかく早くマイキーに電話しねーと…!!

すると蘭はポケットからスマホを取りだし、マイキーに電話をかけた。

通話終了

通話
00:00

マイキー

蘭か、夢は見つかったか?

すると呼出音が聞こえた瞬間に、電話越しからマイキーの声が聞こえてきた。

マイキー、よく聞いてくれ

路地裏に夢ちゃんはいなかったけど、代わりに俺があげたピアスと血の付いたパイプが…

マイキー

なるほど、分かった

マイキー

蘭、とりあえずお前は一旦帰ってこい

マイキー

詳しい話はアジトで話そう

分かった

通話終了

通話
01:00

よし、早く帰んねーと

……ん?なんだ、あれ?

すると路地裏を出ようとした蘭は、地面に転がったひとつのスマホを見つけた。

これ、夢ちゃんの…壊れてる

なんだ、この穴…?

見ると夢のスマホは、貫通した形で底まで穴が開けられていた。

一応、これも持っていくか

蘭は夢のピアスとスマホを握りしめ、路地裏を後にした。

数十分後…

マイキー

話を整理するぞ

マイキー

蘭が向かった路地裏に夢はおらず

マイキー

代わりに、夢のピアスと血の付着したパイプあった

マイキー

それでいいか蘭?

ああ…それと、これも

蘭はそう言って、ポケットに入れていた夢のスマホを出した。

春千夜

うわっ、なんだそのスマホ…底まで貫通してやがる…

武臣

銃かなんかで破壊されたのか?

竜胆

いやでも、電話越しからは引きずるような音と足音以外聞こえなかったぜ?

ココ

……竜胆、その足音どんなのだった?

竜胆

え?なんか、コツコツ…みたいな?

ココ

なるほどな

ココ

恐らくだがその穴、ヒールで開けられたものなんじゃないか?

望月

ヒール?

ココ

電話越しからは銃声は聞こえず、尚且つコツコツという足音と穴の大きさから

ココ

犯人はヒールを履いていた可能性がある

鶴蝶

じゃあ犯人は、女ってことになるのか?

春千夜

可能性としては無くはないかもな

マイキー

蘭…本当に路地裏に、夢はいなかったんだよな?

ああ、間違いない

マイキー

なら、犯人の目的は夢をコロすことでは無いのかもしれない

マイキー

仮にコロす気があっても、攫ったのなら他に何か目的があるはずだ

ココ

目的…

ココはマイキーの言葉に、思わず眉をひそめた。

マイキー

夢の存在を知っており、コロす目的がある者

マイキー

そうとなれば、自ずと犯人は特定できるだろう

マイキー

……これは、俺の憶測だが

マイキー

夢は、

曉牙に攫われた可能性がある…

竜胆

え…?

春千夜

嘘ッ、だろ…

…ッ………!!

マイキー

梵天に潜む曉牙のスパイ、数ヶ月前の抗争、そして小暮俊水…

マイキー

可能性としては一番高いだろう

マイキー

そしてこれが、何よりの証拠だ

マイキーはそう言って、蘭のスマホのGPSを見せた。

春千夜

この場所は…!!

マイキー

そう、このGPSが指し示す夢の居場所は、奴らの…曉牙のアジトなんだよ

鶴蝶

どうする?

望月

このまま突撃するのは得策じゃないな

いやでも、俺たち全員でなら…

春千夜

落ち着けや、何の策もなしに敵の巣窟に乗り込もうってか?

春千夜

もれなく全員あの世行きだぞ

………………

竜胆

兄貴、気持ちは分かる

竜胆

俺たちだって、早く夢を助け出したいんだよ

竜胆

でもお願い、もう少しだけ待って

…分かった

竜胆

うん、ありがとう

マイキー

そうとなれば、お前らにはなるべく多くの曉牙の情報を集めてもらいたい

マイキー

俺は蘭と一緒に、夢が攫われたであろう現場に向かう

春千夜

分かりました

竜胆

兄貴、マイキー、気をつけろよ

マイキー

ああ

分かってる

To Be continued…

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