その言葉には従わず、そっぽを向く。

hiro君が 首輪に繋いでいるリードを引っ張る。

こんな状況になってしまった理由は

数日前まで遡る。

午後11:00

私が自室へ行こうとする

hiro君が私の腕を掴む

初めて門限を過ぎてしまった。

今でも覚えている。

「あの」hiro君の顔を。

―数日後―

時間のことを忘れ、友達と楽しく遊んでいたら

門限をすぎてしまった。

勇気を出して扉を開ける

そこには

hiro君が居た。

とても にこにこした顔だった。

でも、

とても怒っている様な、楽しんでいる様にも見える顔付きだった。

沈黙が続く

hiro君の部屋へと誘導される。

久しぶりのhiro君の部屋だ。

少し興味深く周りを見ていると―

が ち ゃ っ

自分の首に

首輪を付けられていた。

首輪だよ。

顔は何時ものhiro君でも

雰囲気は、ただの別人に感じた。

心の中から

とてつもない恐怖を感じ、その場にへたれこんだ。

恐怖で埋め尽くされ、

絶望の余り、目から涙が零れる。

忠実な犬 として

そう言って、私を撫でる。

ここまでが事の経緯だった。

仕方なくhiro君の手に、私の手を置く。

私の頭を優しく撫でる

何故か

その感覚は、とても嬉しかった。

机の上にある、スイッチを押す。

首輪から、全身に電流が流れる。

電流が無くなったあと、苦しさを和らげる為深呼吸をする。

此方を見ているhiro君を睨む

リードを引っ張られ、hiro君の方へと寄せられる

「絶対俺に逆らわないこと。」

こんな日が数日続いた。

がちゃ

そう言って、毎日私を撫でてくれる。

温かい、優しい手で。

そんな手が、私は止められなくなった。

私はその手が

大好きになった。

撫でて欲しそうに見つめる

hiro君の手の平が

私の頬までくる

hiro君の手が大好き。

今日も私は

忠実なペット