魔女、だ。
何故、私を選んだんだ?
ユリーカ
……透明な手が世話してるのが、分かるだろう?
ユリーカ
これが、私の「恋人」だ。
高橋 青木
なっ
ユリーカ
……そうだ。これがお前に頼みたかったことだ。
空か?
いや、これは水……?
その元を辿ると……
高橋 青木
……な、んですか?これは
ユリーカ
……これが、恋人だ。
高橋 青木
……これが?
ユリーカ
そう。これが……
ユリーカ
この樹から、彼を解放させる。
ユリーカ
私が……
ユリーカ
魔女となって。
高橋 青木
…それで、私は……?
ユリーカ
そうだったな。
ユリーカ
……お前は、飲み込みが早い。
ユリーカ
そこでだ。
ユリーカ
お前にこの樹の担当をして欲しい。
高橋 青木
え、えっ、
ユリーカ
大丈夫だ、簡単な仕事だから。
ユリーカ
他の召使いはここに入れない。
ユリーカ
だからお前には、ここに入ろうとした輩を
ユリーカ
「殺して欲しい」それだけだ。
高橋 青木
……
高橋 青木
わかり、ました……
ユリーカ
……ありがとう
ユリーカ
私には、出来ない事だ。
ユリーカ
……私には…
樹の水は、青い。
宙だ。
樹の水が、青色なんだ。
透明な手は、彼女の髪を優しく撫でた。