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煉獄家:中庭
しゅっ！しゅっ！
煉獄
はっ！はぁっ！
煉獄
いちっ……まんっ！！
煉獄
よし！素振り一万十往復完了だなっ！
煉獄
次は…うむ！
脚力強化だな、今から山に…
脚力強化だな、今から山に…
煉獄
ん？………んん？
地震か？視界が…
地震か？視界が…
真那
杏寿郎ーーーっ！！
ばしゃぁっ！！
煉獄
何だ水！？
…真那！？
…真那！？
真那
阿呆が！
真那
汗だくじゃねぇかっ！
ったく、こんな天気の日に休憩も取らねぇで！
ったく、こんな天気の日に休憩も取らねぇで！
真那
医者のじじいからも毎度言われてんだよ！
煉獄
あ、あぁ…
煉獄
(鍛錬を始めてから水も飲んでいなかったな)
煉獄
心配かけてしまったな
煉獄
しかし俺は大丈夫だ…
真那
聞かんっ！
煉獄
真那？！ごふっ！
真那
ほら！飲めっ！飲めっ！
煉獄
んぐぐっ！あがっ？
ごぶっごぶっ…ごくっ
ごぶっごぶっ…ごくっ
煉獄
っがはぁ！！！
煉獄
荒療治過ぎないだろうか！
真那！
真那！
真那
おーし、これだけ飲めば一旦大丈夫だな
真那
杏寿郎、縁側座ってちょっと待ってろー
煉獄
いや、水は感謝するが
俺は今から…
俺は今から…
真那
(ぎろっ！)
煉獄
……あい分かった
ぱたぱたぱた
煉獄
ふぅ…
煉獄
(確かに少し詰め込み過ぎていたか)
煉獄
(他の者がこのような事をしていたら、俺もまず休ませただろうな)
煉獄
(たらい一杯の水を頭からかけないが…)
煉獄
ふふっ…
真那
おう、お待たせ杏寿郎
煉獄
ああ、
なにをしていたんだ、真那
なにをしていたんだ、真那
煉獄
それは…
真那
よっと
すとんっ
真那
疲れた時は甘い菓子が良いんだってよ
ほら、見ろよ杏寿郎
ほら、見ろよ杏寿郎
煉獄
羊羹か！
しかし少し違う、か？
しかし少し違う、か？
真那
珍しいだろ
真那
上から見ると、透けて月と散らばってる星みたいなのが見えてな
真那
夜だろ
煉獄
ああ！見える！
とても美しいな！
とても美しいな！
真那
和菓子屋のばばあが作ったからってさ
煉獄
綺麗な夜だ…
真那
しっかり甘いからな
今の杏寿郎に良いだろ
今の杏寿郎に良いだろ
煉獄
感謝するぞ、真那！
しかし、勿体無い気もするな
しかし、勿体無い気もするな
真那
綺麗でも食いもんは食いもんだからいいんだよっ
真那
ほらっ、杏寿郎
ぽんぽん
煉獄
ん？
真那
何固まってんだよ
ほら、膝！
少し横になれよ
ほら、膝！
少し横になれよ
煉獄
そ、そうだな！頂いたら少し奥で横になるかっ！夜の見廻りの為にも睡眠もひつよ…
真那
は？
真那
やっぱり頭熱こもってるか？
真那
ほら杏寿郎！さっさと頭のせろよっ
煉獄
いやあのだな、真那
少々意味がだな、その
少々意味がだな、その
真那
杏寿郎
煉獄
なっ何だろうかっっ！？
真那
俺に稽古つけた時、休憩だって膝に座らせたよなー
(二人の柱を倒せし者。参照)
(二人の柱を倒せし者。参照)
煉獄
そんな事もあった…様な気もするなっ(あれは、そういう意味ではなかったんだぞ真那！)
真那
膝の上は疲れ取れるって事だろ？
煉獄
いや聞いてくれ…それは真那の解釈違いというかその
真那
杏寿郎！！
煉獄
ぐぬっ！
ずい……
煉獄
(そうだ、今の真那には逆らわない方が良さそうな気がするからな)
とすん…
煉獄
(そ、そういう理由だ
そういう事で…)
そういう事で…)
煉獄
のせてしまったぞ！真那！！
真那
しまったって何だよ！
とんとん
真那
顔の汗拭いとくぜ
煉獄
う、うむ
煉獄
(ほぼ真那が俺にぶちまけた水だが…)
煉獄
…
煉獄
陽が心地良いな…
真那
ん？
煉獄
(身体を撫でてゆく風が…)
煉獄
(あれだけ剣を振るっても晴らせなかった何かを持ち去って行く気さえする)
煉獄
…
真那
どうした、杏寿郎
煉獄
いや！拭いてくれて感謝するぞ！真那！
真那
おっとそのままだ杏寿郎
煉獄
な？
真那
ほらよ、月の部分だぜ
真那
あーーーーーん
ぱくっ
煉獄
〜〜〜〜！！！！！！！
真那
美味いか？甘いか？
煉獄
んっ！んんんっ！
真那
げ！飲み込んだのかよ！大丈夫か！
煉獄
んんんっ
煉獄
うまい！…様な気がするぞ！
味がっ！わ、分からずじまいだった！
味がっ！わ、分からずじまいだった！
煉獄
すまん真那！和菓子屋の方！
真那
詰まらせたら危ないだろ！
今度はちゃんと噛めよ
今度はちゃんと噛めよ
真那
あーー
煉獄
ちょっ！ちょっと待ってくれ真那！
真那
ん
煉獄
あむっ！
煉獄
(もっもっもっもっ)
真那
よしよし
美味いか？
美味いか？
煉獄
(こくこくっ)
真那
これでばばあに報告出来るぜ
真那
…俺も少し食うか
煉獄
(完全に赤子ではないかっ！
不甲斐なし……)
不甲斐なし……)
……………
真那
少しは頭冷えたか？
煉獄
俺は至って冷静だぞ、真那！
真那
どこがだよ
真那
肩が耳に付くくらい硬直してたぜ
煉獄
あ、あまりに和菓子が美味くてなっ！
あれはとても美味だっ！
あれはとても美味だっ！
真那
確かにな
千寿郎に食べさすの楽しみだぜ
千寿郎に食べさすの楽しみだぜ
煉獄
うむっ
さわっ
煉獄
！？
真那
杏寿郎の前髪なんて触る事ねぇからよ
煉獄
(しまった！そういえば俺は今真那の膝枕中！
心地良くてつい…いや違うだろ杏寿郎！！)
心地良くてつい…いや違うだろ杏寿郎！！)
真那
ちゃんと、寝られてるのか
さらっさらっ…
煉獄
…心配ない
真那
頭は、すっきりしたのか
煉獄
！
真那
ずっと…
真那
気になってたけどな
煉獄
…
真那
引きずろうが乗り越えようが
真那
杏寿郎は進むんだろ
煉獄
…ああ
真那
けど今は
真那
今くらいなーんも考えんな
真那
俺が許してやるからよ
煉獄
…うむ
風が心地いい
木漏れ日の中 幼少の頃を思い出す
よく頑張った、と 膝枕をしてくれ
そっと頭を撫でてくれた母
真那
杏寿郎？
煉獄
(今、この手も感じる温もりも…)
真那
ははっ…
ゆっくり寝な…
ゆっくり寝な…
煉獄
(とても、とても…)
煉獄
(愛おしくて…堪らない)
すぅ………
………………
千寿郎
『兄上、今宜しいでしょうか…』
煉獄
『どうした？何かあったか千寿郎！』
千寿郎
『今日、お医者様の所へ行ってきたのです。私一人で。』
煉獄
『そうか、真那は父上と朝から口喧嘩だったからな…』
煉獄
『もう念の為の薬を貰うだけとはいえ、感謝しているぞ
千寿郎』
千寿郎』
千寿郎
『それは全く苦ではありませんので！
それで今日、お医者様から話があると呼び止められまして』
それで今日、お医者様から話があると呼び止められまして』
煉獄
『…何があった』
千寿郎
『薬はこれからも続くそうですが』
千寿郎
『はっきりと言われました』
煉獄
『……ああ』
千寿郎
『真那さんは…真那さんの病気は……』
………………
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
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