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オメガバース 桃赤 行為匂わせ
主人公はずるい。ずっとそう思ってた。
朝、部屋に響く耳障りなアラーム音により夢の中から現実へと起こされる。 カーテンの隙間から除く光が真っ先に視界に飛び込んでその不愉快さに顔を顰めた。
まだ寝たいたいと目を閉じようとする自分になんとか活を入れベットから降り洗面台へと向かう。
鏡の前に立つ自分の顔は酷く醜く見えた。
顔を洗い歯を磨く。朝食に昨日の晩御飯のあまりをレンジで温め美味しくもない自分の手料理たちを胃に詰め込んだ。
一人暮らしを始め、節約の為にと自炊をしているけれど、自炊を始めてしばらく経つ割に料理はあまり上達していない。
まぁ食べれればなんでもいいけど。
そんなことを思いながら支度をする。 着慣れたスーツに腕を通し、忘れ物は無いかと仕事用の鞄の中をざっと確認をした。よし大丈夫と言葉を零し家を出る。
今日もまた憂鬱な一日が始まってしまった。
自分で身体を動かして支度を済ませたというのに、仕事に行くことにこんなに憂鬱になっているだなんて心底馬鹿らしいと思った。
でもそんなものだろうと思った。
結局こんなものに意味は無いんだから。 ただ自分が死なないために生きているのであって、誰かのためになんて生きていられない。今電車で目の前に立つ他人が明日死のうが俺には関係ない。なんなら心底どうでもいいことだとしか思えない。
俺の人生なんてもう救いがないと分かっているのに、今日も息をしている。そんな自分に心底嫌気がさした。
朝からこんなにも鬱々としているだなんて珍しい気がするけれどそれに気付いたからと言ってこのモヤが消える訳では無いから、潔く諦めてしまおう。
今日は金曜日なんだからと仕事終わりに久しぶりに飲みにでも行こう決めた。
相変わらずの仕事内容。パワハラ上司のネチネチとした説教にひそひそ声でよく知りもしない人間の悪口を言い合う女社員達。そして俺の嫌いなオメガである俺をあからさまに見下すαの男社員数名。 ついここが地獄かと錯覚してしまう。
自分の席に付き仕事をこなしていく。あっとゆう間にお昼がすぎ、気づけば夜になっていた。
間食を食べながらだとやっぱりダメだな。お昼休憩をついとり忘れてしまう。
それはそうと今日は飲みに行くんだったと、朝自分で決めたことを思い出し帰る支度をする。けれど今日は運が悪く支度をしている最中aの男性社員に捕まり仕事を押し付けられてしまった。
さほど量は無い。 頑張れば1時間半で終わる。けれど朝から憂鬱な俺の身体はもう限界だった。精神的にも身体的にも。 けれどそんなことを言ってもどうにもならないのが社会で俺は押し付けられた仕事に手を付ける。
30分、1時間、2時間と時間が過ぎていた。終わった頃には21時を回っていた。会社には俺しかいなかった。もううんざりだった。
オフィスの電気を消し鍵を閉める。今度こそとその足は飲み屋街へと向かっていた。
飲み屋街を適当に歩く。行きつけの店なんて物はないから、チェーン店なんかが良かったけれど、チェーン店となるともうやってない店が多い。どの店に行こうかなと考えている時だった。
?
後ろから声をかけられた。
?
急にすいません。キャッチとかじゃないです。と。美形で声のいい男が話しかけて来た。普通に考えたら怪しいのだけど、俺はその言葉に頷き男について行くことにした。
キャッチとかじゃないとは言ってたけど嘘じゃないとは言い切れ無いかもしれないし、高いお金とか請求されるかもしれないし、俺男だし、、、ナンパとかでは無いだろうから、、
悶々と色々なことが浮かんでは消えていく。ほんとはどうでもいいとは思っていなかったとかそういうのではなく、ただ目的が分からないのは怖い。
そうこうしているうちに
?
俺のおすすめの店なんです。と、その綺麗な顔に笑みを浮かべこちらを見る。
赤
じゃあ入りましょうか。と扉を開け店へと入っていく男の後ろについて行き、カウンター席に並んで座る。
店は少し洒落たバーのようなものだった。怪しい感じはしない。
?
動揺している俺を他所に男は常に冷静だった。
赤
もちろん
知らない単語をペラペラと並べ注文をする。こういうのをかっこいいっていうのだろうか。なんかモテそう、、この人。あれ、そういえば名前知らない。そりゃそうだ、声掛けられてその後ろを着いてきただけなのだから。
赤
?
桃
その顔は優しく笑っていた。
結構なペースで呑んでいた気がする。
さとみさんに頼んで貰ったお酒を一気に飲み干して、同じのを頼んだ。
俺好みの味だったから。
さとみさんが1番好きなお酒だと言っていたから。
でもその辺から覚えがない。
俺、今なんでさとみさんとベッドにいるんだろう。
どうやら眠ってしまって居たらしい俺は、目が覚めたら知らない部屋にいた。その隣にはさとみさんが眠っていて、嫌な予感と共に布団を捲れば、2人とも服を着ていなかった。
なんで、なんてそんな疑問はあっさりと消えた。
部屋に広がる景色と、服を着ていない現状で流石にわかった。まぁ別にいいか。と思ったのはきっと酔いが覚めきっていなかったから。
その辺に転がる服を拾い羽織る。自分のカバンを探して中から携帯を取りだし時間を確認すれば時間は午前3時頃だった。
起きるにはまだ早い。けれどここで2度寝も違う気がする。今日は土曜日。家に帰って寝よう。昨日の飲み代も、この明らか高そうなホテルの値段も分からず財布からお金を全部出して机に置いた。
足りなかったらどうしようと思ったが、どの道もう合うことは無い。誘って来たのは向こうだしと自己完結させ部屋を出ようとドアノブに手を掛けた時だった。
桃
後ろから声がした。俺の名前を呼ばれる。その声の正体はさとみさんで、身体を起こしこちらを見ている。
桃
昨日と様子の違うさとみさんがそこにはいた。酔って昨日のことをあまり覚えていない俺は当然覚えているはずもなく、寂しそうにこちらを見つめる理由などわかるはずもなかった。
赤
戸惑いが隠せず言葉が出ない。
桃
お互い言葉に詰まる。 あぁ俺のせいだ、、
赤
酔ってからのこと、、そういう俺に酷く悲しそうな顔をする。
桃
桃
まぁそこまでは分かる。俺が知りたいのはそこからだ。
桃
桃
桃
真っ直ぐな瞳に見つめられて言葉がでなくなる。
俺は無意識に自分の首元に着いたままの首輪を撫でていた。
だんだんと悲しそうな表情になっていくさとみさんに対して罪悪感でいっぱいになり嘘じゃないですと全力で首を横に振った。
桃
その顔は今まで見たどんな人間よりも美しく微笑んでいた。
続くかわかんないですけど連載のつもりで始めました(✘﹏✘ა) 続き読みたいよって方ハートくださると嬉しいです!! それと前回、前々回の小説ハート500いっててびっくりしました。ありがとうございます(っ ̫ ᴗ^) フォローもありがとうございます〜