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時は流れて、今日は10月18日

この日は……

まふ、誕生日おめでとー!

おめでと〜

真冬

ありがとう、2人とも!

そう、この日は僕の17の誕生日

別に何か特別なことをする予定もないけど、この日は毎年少しだけそわそわする

真冬

…ん、天ちゃんから電話だ

真冬

はい、もしも…

翔太

『まふくん、お誕生日おめでとー!』

僕が通話ボタンを押すと、天ちゃんの元気な声が飛び込んできた

真冬

わっ!ありがとう天ちゃん!

真冬

でも、言ってないのにどうして僕の誕生日知って…

翔太

『彼方さんにこの前こっそり聞いたんだよ、まふくんの誕生日いつですか〜って!』

真冬

そ、そうなの!?

翔太

『とにかく、今度プレゼント渡したいから一緒に遊びに行こうよ!』

真冬

うん、楽しみにしてるね!

翔太

『じゃあ、僕授業に出ないといけないから切るね!』

翔太

『…彼方さんに、祝ってもらえたらいいね!』

真冬

っ…うん、本当にそう思う

真冬

(少し、照れくさいけど…)

翔太

『じゃ、またね!』

そういうと、天ちゃんは電話を切った

よかったなぁまふ!

真冬

うん!

真冬

(彼方さん、期待してもいいのかな…)

キーンコーン……

チャイムが鳴って、昼休みに入る

あ〜眠かった……

優、すごい耐えてたもんな

だって俺の席、窓から日光がくる丁度のところで眠くなるから〜

真冬

…あ、

どうした?

僕は扉の前にいる人影に気づいた

彼方

真冬

真冬

彼方さん!

真冬

どうしました?

真冬

あ、もしかして今日一緒に帰りますか?

彼方

エスパーかよ…

彼方

…まあ、そんな感じ

真冬

わかりました!じゃあ渉さんとかも呼んで…

彼方

いや、2人がいい

真冬

……へっ?

突然の言葉に、僕はびっくりした

真冬

えっ、えぇと…

彼方

…いや、ダメなら正直に言って……

真冬

ダメじゃないです!校門の前で待ってますので!!

彼方

え、でも…

真冬

絶対おくれませんから、待っててください!!

彼方

………

彼方

…わ、わかった

真冬

…なんか、久しぶりですね

真冬

彼方さんと2人で帰るのって

彼方

最近はあの2人も一緒だったからな

真冬

…………

真冬

…ねぇ、彼方さん

彼方

何?

真冬

僕に何か用事あるんですよね?

さっきから妙に彼方さんがそわそわしてるし、なぜか目を逸らされる

真冬

(そうじゃないと僕、そんなことされたら悲しくなるって…!)

彼方

…真冬、今日誕生日なんでしょ

真冬

えっ?はい…

彼方

……きて

真冬

え…わっ!

すると彼方さんは、僕の手を引いてどんどん歩いていった

真冬

(ここ、彼方さんの…?)

彼方

…ちょっと待ってて

そう言って彼方さんは、部屋の奥の方に行った

真冬

(彼方さんのお部屋に来たのって、あの彼方さんが連れ去られそうになった時以来かな…)

真冬

(あれから色々あったけど、まだ出会って1年くらいなんだもんね)

彼方

…はい、これ

そう言って彼方さんは、一つの小さな紙袋を僕に差し出した

真冬

なんですか?これ…

彼方

開けてみて

真冬

はい…

中を開けるとそこには、ネックレスが入っていた

銀色のチェーンに、白色の小さな宝石が輝いていた

真冬

わ、キレイ…

彼方

流石に本物のやつは買えないけど…

真冬

嬉しいです!ありがとうございますっ

彼方

! そ、それならよかった…

僕は早速つけてみることにした

真冬

…似合います?

彼方

……うん、似合ってる

目を逸らしながら言われたから、僕は彼方さんの顔に手を当てて、僕と目線を合わせた

彼方

ちょっ…!

真冬

…似合ってますか?

彼方

…似合ってるよ、真冬に

真冬

よし、それが聞けたら満足です!

彼方

さっきも言ったろ…

真冬

僕の事をみて言ってほしいんですー!

真冬

…でも、本当にありがとうございます

真冬

彼方さんの誕生日の時は、何倍にもして返しますので!

彼方

……!

真冬

あれ?でも僕、彼方さんの誕生日知らな…

彼方

…いいよ、俺の誕生日は

真冬

え?でも…

彼方

…誕生日とか、祝われるなんてことなかったし

彼方

どう過ごしたらいいかもわからないから、俺のはいいよ

真冬

真冬

…じゃあ、彼方さんが今まで祝われてなかった分、僕がお祝いします

彼方

いや……

真冬

彼方さんが、生まれて来て良かったなって思えるくらい、僕が幸せにします!

彼方

…………

ふと我に返り、自分の言った事の恥ずかしさに気づいた

真冬

(あれ!?我ながらかなり恥ずかしいことを言ってしまったのでは…?)

真冬

(幸せにする、とか言っちゃったの恥ずかしすぎる…)

真冬

あ、えっと……

彼方

『11月3日』

真冬

……へっ?

彼方

俺の誕生日、覚えてろよ

真冬

…!

彼方

ていうかそのセリフ、ここで言うことじゃないんじゃない?

真冬

あっ!!いや、これはその…

真冬

咄嗟に出てきた言葉というか、なんか頭の中にあったというか…?

彼方

何それ……

彼方

…そのセリフ、覚えてるから

彼方

『ここに生まれてきてよかったな』って、真冬に思わせてもらう

そう呟いて、彼方さんは微笑んだ

真冬

…ふふっ、任せてください!

それから僕はしばらく彼方さんの部屋で過ごし、自分の誕生日を満喫した

色んな人に祝ってもらって、生まれてきてよかったなと感じている

真冬

(彼方さんにも、そう思ってもらえるかな)

『君と僕の忌避進路』

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