雨が強く降っている中 バス停でバスが来るのを待っている少女は その場で俯きながら 傘を刺さずに白百合の花束を持っていた
少女は黒髪のショートヘアで髪飾りに 白いリボンを付けており、 白い上着に褐色のロングスカートを 身に付けてバスを待っていた
バスに乗り、濡れた服の水を 絞ることをせずに少女は ある場所へ続く道を進んでいた
八千八声 啼いて血を吐く ホトトギス
その小さな鳥は 血を吐きながら歌を唄い続けた
少女は窓の外を見ると 昨日まで賑やかだった街は 崩壊しており 人の気配が感じ取れなかった
私の大切な親友も 歌を唄い続けた
バスから降りると雨は止んでいたが 止み終わったばかりで 水溜まりが幾つかあった
向かい側にある階段を登ると 墓地に到着し、その墓地の中にある 1つの墓に向かって足を踏み出す
血を流しながら…唄い続けた
そして少女は墓の前に立つと 脚が震えだし、その場から崩れ落ち 持っていた白百合の花束を落としてしまう
嗚咽を吐きながら少女は顔を上げ 墓の台の上にある1つの写真を見つめる
っ……ぅぅ……!
会いたいよ…もう会えないなんて……
私は嫌だよ……!
少女は手を握りしめ 俯き、 名前が掘られておらず、墓の中にもいない 人物の名前を呼び、墓の台の上にある 写真を再び見つめる
響…!!!
その写真は 風鳴翼とマリア・カデンツァヴナ・イヴの ライブ終了後に撮った写真であり、 2人の関係者である7人を含めた 人の集合写真であった
だが墓の台の上にある写真には 黄色い髪と黄金色の瞳を持つ少女しか 写っていなかった
う…っ…うううっ……!
うわぁぁぁぁん!!
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!!!!
少女は泣き出し、それに応するかのように 再び雨が降り出した
その雨は先程よりももっと強く もっと痛く 振り続けた
私の大切な親友は 戦場で 歌を唄い続けた
降り出した雨は止まることを知らない
そして2度と太陽は昇ることは 無いと知らしめる様に 強く強く降り続けた
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《次回予告》 第2章 遂に始動 《今話の一言》 これは未来なのか はたまた過去なのか それとも________________ 真実が現れる日は そう遠くない