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夢を見た
夢の中で私は曽祖母の家にいた
広い庭が見える縁側のそばで
折り紙をしていた
作っているのは雛人形
でもなぜか頭がない
あと少しで完成だな
そう思った時
不意に声が聞こえてくることに
気がついた…
まな
いや……お経……??
どちらともつかない声が聞こえる
それは波のようにうねりながら
だんだんと
だんだんと
近づいてきている
だんだんと
着実に…
最初は囁き声程度だったその声は
もう私のすぐ後ろまで迫っている
もうその頃には
まるで私を責めているかのような
叫び声に近い大きさになっていた
私は怖くて目を閉じた
その瞬間に目が覚めた…。
《 二月 学校 》
まな
私は今朝の夢が尾を引いて
陰鬱とした気分で登校した
玲亜
パシン!
机で伏せっている私の背中を
幼馴染の玲亜が勢いよく叩いた
その衝撃でおでこが机にぶつかる
ゴンッ
まな
まな
玲亜
玲亜
玲亜
玲亜
玲亜
まな
玲亜が小さな鏡を出して私のおでこを映した
玲亜
玲亜
玲亜
まな
まな
まな
玲亜
まな
玲亜
玲亜のお陰で
嫌な気分が晴れる
まな
玲亜
玲亜は少し天然なところもあるが
すごく頭が良くて
いろいろなところに気がつく
きっと私が元気がないことも
すぐに見透かされていたんだろう
まな
まな
玲亜
まな
私は今日見た夢の話を話した
玲亜
玲亜
まな
玲亜
誰かに話すと
あんなに怖かった夢が
たいしたものじゃないように
感じる
よかった…。
何事もなく1日を過ごし
眠りにつく…
まな
まな
まな
目がさめると私は
昨日の夢の場所にいた…
まな
まな
ふと廊下の方に目をやる
おかっぱ頭で着物を着た女の子がいた…
まな
まな
女の子
まな
まな
女の子を見つめる
なんだろ…この違和感…
女の子
女の子
まな
まな
この子どこかで…
いや…こんな子知らない…
見たことあるのは…
着物だ…
まな
まな
私は震える手で着物を指差した
女の子
女の子
女の子
そんな…
まな
まな
女の子
女の子
女の子
女の子
女の子
女の子
女の子
女の子
女の子
足らないもの??
あの夢では雛人形は
ほぼ完成していた…
あと足りなかったのは…
アタマだけ…
ゴクリと生唾を飲む音が頭に響く
それが聞こえたかのように女の子は微笑んだ
女の子
女の子
女の子
女の子
そう女の子が呟いた瞬間
彼女の頭部が物凄い勢いで飛んできた
まな
とっさに目を瞑ってよけた
まな
まな
まな
気がつくとそこは私の部屋
私はベットで寝ていた
まな
2月の寒い時期なのに
私は身体中汗塗れだった…
まな
汗をぬぐいながら体を起こす
まな
まな
私の目に映ったのは
頭部のない
折り紙で作られた雛人形だった…
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者