貴女は何をしたいの? 何になりたいの?
夢はある?
そう訊かれて答えられないのはおかしいですか
何か誇れるものはある?
何か守りたいものはある?
そう訊かれて泣きたくなるのはおかしいですか
今まで何度も試されるような質問をされてきて
その度に私は立ち止まりながらギリギリで乗り越えてきた
…次、訊かれるとしたら
貴女の生きる意味は なんですか
私
どうしても見つからないから 考えるのが嫌になる
いっその事訊かれる前に 死んでしまおうか
だって仕方ないじゃないか。
私
私
ゆっくり
ゆっくり
屋上の柵を昇る
それに伴って
ゆっくり
ゆっくり
死が近付くのを感じる
それが堪らなく心地いい
私
私
私
誰かが、何かが 守ってくれないと
私は堕ちてしまう
人間関係も、今の私も。
私
私
…ほら、誰か来てよ
私落ちちゃうよ? 死んじゃうよ?
誰か助けてよ…
そんな事今更言えないけど。
私
床を蹴って
宙を舞った
誰も守ってくれなかったから
誰も気にかけてくれなかったから
私は落ちたんだ
私
待ってたのに…
そんな想いも 一緒に堕ちて
砕け散った
それから、私はまた立ち上がって
ゆっくり歩き出した
私
私