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テラーノベル(Teller Novel)
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あたしには、あるときから記憶がない

それは突然起こった悲劇

いや、もしかしたらこれがあたしたちの運命だったのかもね

ねえ?〇〇……

いつも通りの朝

いつも通りの学校

里穂

おはよ、結衣

結衣

おはよ!里穂

仲良しな友達。

結衣

今日は午前の授業だよね?

里穂

そうそう!

里穂

だから隼人と今日はデートでしょ?

結衣

あれ?そうだっけ?

隼人はあたしの彼氏。 でも正直なんで付き合っているのかわからない

里穂に聞いたらあたしが隼人のことが好きであたしから隼人に告白したらしい

なんで、そんな大事なことをおぼえてないのかって?

里穂

ねえ、また難しそうな顔してる

里穂

もしかして記憶を思い出そうとしていたの?

結衣

え?あ、うん

そう。あたしは事故でそれ以前の記憶をなくした

あたしが隼人とつきあったのはその前から、だからあたしには隼人のことも幼馴染の里穂のことも覚えていない

でも、二人はあたしのペースでゆっくり思い出してくれたらいい

そう言ってくれてそれからもふたりは、あたしと仲良くしてくれる

里穂

あ、そっか

里穂

今日は芽衣の命日か…

結衣

そうなんだよね

結衣

だから、今日は芽衣のお墓に行きたくて…

芽衣はあたしの双子の妹。 あたしたちはいつも一緒で顔立ちもとても良く似ていた。 らしい

でも唯一違うこと、それはあたしたちは顔立ちはよく似ているのに性格や服装が全然違ったんだと。 周りの女の子たちみたいに

はやりにのっていたあたしとは反対に芽衣は常に地味で学校でも友達関係もうまくいってなかった

あたしは事故のせいで芽衣のことも忘れてしまってこれは、里穂から聞いた話

あと、家にあるアルバムをみてそれをしった。

里穂

じゃあ隼人にはちゃんと断っておきなよ?

結衣

うん

結衣

隼人

隼人

なに?
どうかしたの?

結衣

今日のデートのことなんだけど

隼人

ああ、行きたい場所きめたか?

結衣

ううん

結衣

実は、今日はパスしたいんだけど

隼人

どうして?

結衣

実は、今日は芽衣の命日だから

結衣

芽衣のところにいたくて…

隼人

隼人

ああ、そうだったな…

隼人

ごめんな、そんな大事な日に誘っちゃって

結衣

ううん。あたしこそごめん

隼人

ううん、俺は大丈夫だから芽衣のところにいてやって

結衣

ありがとう

結衣

ふう

今日は、芽衣の命日。 あたしが記憶をなくした日 あたしたち二人が事故にあった日

里穂

そういえば、あれからもう二年か…

結衣

うん

里穂

時がたつのは早いね

結衣

そうだね

そう。 あたしたちが事故にあったのは15歳の時

断片的に思い出した記憶だとあたしたち二人はいつもみたいにでかけていた。

でもその帰り2人で歩いているときに車が突っ込んできていてあたしたちはひかれた

そしてあたしは記憶をなくして、芽衣は頭を打ってなくなってしまった。

先生

ほらー授業始めるぞー

それから授業中も芽衣のことを考えているといつのまにか授業は終わっていた

里穂

じゃあね、結衣

結衣

うん!ばいばい!

里穂

今日は行けないけど今度芽衣のところ一緒に行こうね

結衣

ありがとう

そして一旦家に帰ってベットにねころがる

結衣

ふぁーあ

芽衣とあたしは同じ部屋で今もこの部屋には芽衣のものが残っている

お母さんがなにもいじってないから、あの日から変わっていないらしい

芽衣はお母さんともあまり上手くいっていなかった

いつも褒められていたのはあたしで多分双子だったから色々比べられていたんだろう

ふと、視界の端に写ったあたしたち2人の写真を手に取った

2人とも楽しそうな笑顔でうしろには隼人と里穂もいる

それなのにあたしはまだ思い出せない

正確には思い出そうとすることを諦めた

あたしは今を生きる

なんてことをぼんやりと考えているといつの間にか眠ってしまっていた

暗いくらいみちで女の子が泣いている

理由はわからないけど床に座り込んでずっと泣き続ける

結衣

どうして泣いてるの?

少女

…とられちゃったの

結衣

とられた?

少女

そう

女の子はずっと取られたといい泣き続けている

結衣

なにをとられたの?

少女

……

結衣

誰に取られたの?

少女

……

少女

…かえして

結衣

へ?

少女

わたしの……をか…して

その瞬間女の子がこちらを向く

少女

かえして!

少女

かえして!

その小さな体では考えられないくらいの力であたしの肩を掴む

結衣

なにを!?

結衣

あたしはあなたのものはとってないよ?

そう言ってもずっとかえしてと言い続ける女の子

その顔は小さい頃のあたしによく似ていた

結衣

はっ!

結衣

…はぁ…はぁ

またこの夢

芽衣の命日が近くなるとこの夢ばかり見る

そして目を覚ますとあたしは必ず泣いている…正確には涙が勝手にこぼれる

いつものように涙を拭って私服に着替える。

そして鏡で自分の姿を見直してから芽衣のお墓へと家を出た

お墓までの道のりで花を買ってお供えする

そして、少しだけ芽衣に最近のことを話して別れを告げる

結衣

あ、これ忘れてた

結衣

これおかあさんが芽衣がなくしたって言ってたあたしと色違いのキーホールダー、見つけてくれたよ

結衣

ここに置いておくから

結衣

…じゃあね

その時

結衣

うっ…!

頭に激痛が走った

この痛みは覚えがある痛み

結衣

芽衣っ…

結衣

めーいー!

結衣

買い物に行こー!

芽衣

…うん

結衣

…どうしたの?

いつも以上に元気のない芽衣

芽衣

あたし地味かな

芽衣

結衣みたいにキラキラしなきゃダメなのかな?

そして私が声をかけると悲しそうに寂しそうに呟く

結衣

そんなことないよ!

結衣

私は私

結衣

芽衣は芽衣でしょ?

芽衣

うん

結衣

だからそんなの気にしなきゃいいの

芽衣

うん…

それでも芽衣は浮かない表情でうつむく

結衣

あ、だったら

結衣

今日は試しに私みたいな格好して一日過ごしてみたら?

芽衣

え?

結衣

だって芽衣は今がいやなんでしょ?

結衣

で、私と同じ格好していてそれが嫌ならやめればいい

結衣

ね?

芽衣

うん!そうする

結衣

じゃあ決まり!

そして私たちはいわゆる双子コーデをして家を出た

結衣

はあ…はあ…

これはあの日の記憶?

あたしたちが事故にあった日?

結衣

と、とにかく帰らなきゃ

あたしはなんだかこわくなってキーホルダーをどこかに飛ばされないようにおいてきた道を戻った

芽衣

……

狂ったあたし【短編】

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コメント

1

ユーザー

え?めいって生きてたの?

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