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ヲタ女と反社【第1期】

ヲタ女と反社【第1期】

「ヲタ女と反社【第1期】」のメインビジュアル

18

『認知していて欲しいことがある』

♥

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2023年01月11日

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ドンッ!!ドンッ!!

和田(30歳)

おい開けろ、今日こそきっちり返してもらうからな

和田(30歳)

チッ…居留守かよ

ドカンッ!!

すると和田は強引にドアを蹴破り、中へ入った。

和田(30歳)

邪魔すんぞ〜

和田(30歳)

って、マジで誰もいねぇのか?

和田(30歳)

もしかして逃げたか?

??? 『あ…あぅ……』

和田(30歳)

なんだ?

赤ん坊

あぁ……あう…

すると誰かの声が聞こえ見てみると、一人の赤ん坊が横たわる女性の隣に座り込んでいた。

和田(30歳)

赤ん坊?

赤ん坊

ぁ…まぁま……

和田(30歳)

この女、お前の母親か?

赤ん坊

うぅ……うぁ…

赤ん坊は和田の言葉に答えるように、喃語を口にすると小さく頷いた。

和田(30歳)

赤ん坊がいたのか、知らなかったな

和田(30歳)

………もうタヒんでるみてぇだな、チッ…結局逃げてんじゃねーか

和田(30歳)

はぁ…仕方ねぇ、じゃあここは一旦後に回すか

グッ…

和田(30歳)

あ?

すると和田が帰ろうとしたその時、赤ん坊が服の裾を掴んだ。

和田(30歳)

なんだガキ、離せ

赤ん坊

うぁ……あぅあ…

和田(30歳)

悪いがお前がどうなろうと、俺には関係ないんでね

和田(30歳)

じゃあな

和田は赤ん坊にそう言うと、強引に服を引っ張り手を離させた。

赤ん坊

ぱぁぱ?

和田(30歳)

違ぇ、俺はお前の父親じゃねぇよ

そう吐き捨てると和田は、そのまま家を出て行こうとした。

赤ん坊

ぱぁぱ!ぱぁぱ!

和田(30歳)

はっ!?おい、来んじゃねぇよ!!

赤ん坊

あう……うぅ…

和田(30歳)

え?

赤ん坊

うあああぁぁぁぁん・゚・(。>д<。)・゚・

和田(30歳)

ちょっ!?おい、泣くなよ…

和田(30歳)

くそっ……どうしたら…

和田(30歳)

あ…!

すると和田はポケットから、2つの飴玉を取りだした。

和田(30歳)

ほら、欲しいのやる

赤ん坊

ふぇ…?

和田(30歳)

ほら…

赤ん坊

うあ……

和田(30歳)

バカいちご取んな、それは俺んだ

和田(30歳)

お前はぶどうな

和田はそう言って、赤ん坊にぶどうの飴を渡した。

赤ん坊

(*≧▽≦)キャッキャッ!!

和田(30歳)

笑った…

赤ん坊

ぱぁぱ!

和田(30歳)

……っ…!!

和田(30歳)

はぁ…分かったよ、連れてってやる

和田は赤ん坊の笑顔に折れたのか、しょうがないと言うように笑った。

和田(30歳)

お前、名前はあるのか?

赤ん坊

うぅ?

和田(30歳)

無いのか、じゃあ付けてやる

和田(30歳)

そうだな、亜夢はどうだ?

赤ん坊

あうぅ?

和田(30歳)

そうだ

和田(30歳)

俺の曉牙のトップになるって夢の次、二番目の夢がお前だ

赤ん坊

あぅ!あぅ!

和田はそう言って抱き抱えると、赤ん坊は嬉しそうに笑った

和田(30歳)

ははっ、気に入ったか?

和田(30歳)

じゃあ…これからよろしくな亜夢

亜夢

あぅ!ぱぁぱ!

和田(30歳)

はいはい、ほら行くぞ

そう言うと和田は、亜夢を連れて家を出て行った。

和田

んっ………うぅ…

和田

夢?か…、

和田

随分と、懐かしい夢だな

和田

パパ…か

和田

…本当に、これで良かったのかな…

和田はそんなことを思いながら、腹の傷口を軽く触った。

梵天アジト 会議室

え…マイキー、それマジなの?

マイキー

和田から聞いた話ではな

ココ

でもあいつは元々曉牙のメンバーだろ?

ココ

ボスに命令されて、そういったのかもしんねーぞ?

マイキー

俺も最初はそう思ったんだが、それにして不可解な点が多すぎるんだ

春千夜

不可解な点?

するとマイキーの興味深い言葉に、春千夜は少し前のめり気味になった。

マイキー

任務での奴らとの接触率はほぼ100%、毎回のように現れては邪魔が入った

マイキー

そしてこっちの商談相手の組織を、ピンポイントに奪われたりもした

マイキー

だが何より、これが一番不可解な点だ

鶴蝶

夢か…

鶴蝶はマイキーが答えを出す前に、分かっていましたというようにそう答えた。

マイキー

そうだ

マイキー

夢のことについては、この梵天内では機密情報として取り扱っている

マイキー

俺と幹部以外は認知していなかったはずだが、まあ他の社員にバレた理由は何となく分かるが…

マイキーはそう言って、凄まじい形相で蘭を睨みつけた。

あ…あはは…(^∀^;)

マイキー

はぁ…だがどうせそうなるだろうと思って、他の社員たちにも外部には漏らすなと釘を刺していた

竜胆

さすがマイキー

マイキー

しかし今回、夢の情報が全て曉牙に漏れていた

マイキー

恐らく社員の誰かに裏切り者、言わばスパイがいるだろうと組んでいた矢先に

マイキー

和田からそんな報告が来たんだ

マイキー

信憑性は高いと思っている

望月

確かに、そこまで来たら信じざるおえないかもな

武臣

…………なぁ、一つ疑問なんだけどよ

すると今まで黙って話を聞いていた武臣が、突然口を開いた。

武臣

なんで曉牙は、夢をコロそうとしてんだ?

武臣

前の抗争で、あっちのボスさんは夢をコロすことが今回の任務だと言っていた

武臣

しかも、"重要"って言葉を入れてな

武臣

いくらジークンドーがピカイチでも、夢は裏を返せば一般人で奴らの驚異になるとは考えにくい

武臣

奴らが夢をコロす理由が見当たんねーんだよ

ココ

あの言葉…あまり深くは考えていなかったが、確かにおかしいな

マイキー、それについては何か言われてないわけ?

マイキー

それについては、今話すのはよそう

マイキー

………いるんだろ夢、入ってこい

マイキー以外 「え!?」

あはは…バレてたか

竜胆

夢、なんでここに…

いやー外出禁止で暇だったから、アジト散策しまくってたら

たまたま会議してるの知って、ちょっと何話してるのか気になっちゃって…

鶴蝶

そうか、退屈させてごめんな夢

いいんだよ、誰も悪くないから!

よーっし!じゃあ退屈してる夢ちゃんのために、蘭ちゃん護衛でボウリングでも行こっか?

いいの!?やったー!!

春千夜

は!?ちょ、待てまだ会議が…

マイキー

いい、行かせろ

春千夜

…分かりました

春千夜は咄嗟に止めようとしたが、マイキーにそう言われそのまま二人を見送った。

マイキー

よし、これで話の続きができそうだ

望月

マイキー、なんで夢のことなのに、本人の前で話さないんだ?

マイキー

あいつに、和田にまだ話すなって言われているんだ

マイキー

いつか自分から言うと言っていたが、それがいつになるのかは分からない

マイキー

まあだが、俺はお前らが本人に言わないということを信じてこれから話そうと思う

マイキーの言葉で、会議内に一気に緊張が走った。

マイキー

まずはお前らに、認知していて欲しいことがある

マイキー

夢は…

記憶喪失なんだ

竜胆

え…

ココ

嘘だろ

鶴蝶

本気で言ってるのか?

マイキー

ああ、本当だ

マイキー

正確に言えば、8歳より前の記憶が全て無い状態なんだ

マイキー

なぜそうなってしまったのか、経緯を話す

マイキー

この資料を見ながら聞いてくれ

マイキーはそう言って、芦根亜夢と書かれた資料を竜胆たちの前に置いた。

マイキー

話は15年前にまで遡る

マイキー

夢は当時1歳にして、親とほぼタヒ別のような形で生まれた

マイキー

父親は不明、母親は曉牙から金を大量に借りた挙句に返せずそのままタヒ亡

マイキー

その後和田が夢を見つけ、育てたそうだ

マイキー

その時名前はなかったから、和田は芦根 亜夢と名付けた

マイキー

亜夢はあの環境下でもなんの問題もなく、何にも巻き込まれることがなく成長していった

マイキー

しかしその7年後の2010年12月29日

マイキー

亜夢は渋谷の商店街にて、大型トラックの事故に遭い亡くなった

春千夜

は…!?

春千夜

待ってくださいマイキー、話を聞く限り亜夢と夢は同じ人物なんでしょう?

春千夜

亜夢がその事故で亡くなったのなら、夢は一体誰なんです?

マイキー

まぁ、まずは聞け

マイキー

亜夢はその事故で亡くなった……ことになっていたんだ

望月

つまり、偽装ということか?

マイキー

そうだ

マイキー

亜夢は事故に遭う一ヶ月ほど前に、曉牙のある秘密を知ってしまったんだ

マイキー

それは曉牙にとって、外部には決して漏らせない機密情報らしい

マイキー

はっきり言えば、自分たちの今までの悪事を記したファイルについての話だ

マイキー

亜夢はそのファイルの在り処を知ってしまったんだ

マイキー

それがサツに渡れば、奴らはもれなくムショ行きだ

マイキー

それを隠すために、亜夢はコロされたんだ

マイキー

だが幸か不幸か、あの事故で亜夢はまだ生きていたんだ

マイキー

だが事故の衝撃で、記憶喪失になっていた

マイキー

和田は亜夢を守るため、偽の記憶を教え名前も夢とした

マイキー

夢と亜夢の情報が似ているのも、夢の記憶と真実が一致しないのも

マイキー

全てそういうことだ

マイキー

…これが、経緯だ

竜胆

…なぁ、でも記憶喪失ならコロす必要は無いんじゃ…

ココ

奴らが夢の記憶喪失を、知らない可能性もあるし

ココ

仮に知っていた場合

ココ

記憶喪失患者は何かがきっかけで、元の記憶を取り戻すことがある

ココ

もしそうなった場合、機密情報がサツに渡る可能性がある

ココ

それも考慮して、記憶が戻る前にってことだろ

武臣

……夢、外出しちまったが大丈夫だろうか…

鶴蝶

蘭が付いてはいるが、今後は極力控えてもらうか、護衛をつけさせた方がいいな

春千夜

学校も送迎した方が安全かもな

マイキー

ああ、そうしてくれ

マイキー 「そして早く日常を取り戻すためにも、曉牙のスパイの特定を急ぐぞ」

マイキー 「全員作業に取り掛かれ!!」

マイキー以外 「はい!!」

…………………

すると盗聴器でこっそりと聞いていた蘭は、その内容に顔を顰めた。

夢ちゃんを連れてきたのも、関わらせてしまったのも全部俺だ

ごめんね夢ちゃん…

バコンッ!!

お!やったストライクだ!!

蘭ちゃん私ストライク!!

凄いじゃん夢ちゃん、さすがだね♡

(*´ ˘ `*)♡エヘヘ

でもその代わり、俺が最後まで全力で守ってあげる

約束するよ

To Be Continued…

この作品はいかがでしたか?

710

コメント

176

ユーザー

今現に隣のマイキ(ぬいぐるみ)から全員作業に取り掛かれって聞こえた気がしたけど幻聴だよねあはは(東卍だし)

ユーザー

フォロー失礼します

ユーザー

まじ…神作…どんな脳みそしてるん?神の脳みそやん(((褒めていますからね!?

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