翔太side

自分の大好きな声がした方向に 歩いていく

本当は走っていきたいけど 昔の事故のせいで体に麻痺があるからできない

やっぱり涼太先生といると落ち着く

逆に涼太先生いないと 僕ダメかもしれない

初めて会ったあの時から……

数年前

ある夏の休みの日

家族で外に遊びに出ていた

一日中楽しんで家に帰る途中

ｷｷｰﾄﾞﾝｯ

信号待ちをしていたはずなのに 気づいたら地面に倒れていた

自分の体が自分のものでは 無いみたいに言うことを聞かない

力を振り絞り周りを見渡す

遠くで血を流し苦しそうな親が見える

すると誰かが近寄ってくる

車を運転していた人が僕に向かって 怒鳴ってきていた

いろんな状況が一気に頭に入ってきて 理解してしまう

それと同時に恐怖心と不安感が 襲ってくる

パニックを起こし息ができなく なっていた時 また誰かが近寄ってくる