朔久
……
朔久
ごゆっくりどうぞ。
⚠️注意⚠️ これはこの作品を全部見てから 読んでください。
???
ふぁーぁ。
暗い自室。
ペラペラとめくれる紙の音。
???
よっし。書き終わった。
表紙にタイトルが 書かれている紙の束をまとめる。
ここまで長かったなぁとか 感慨深く感じる。
でも、これは俺のただのエゴだから。
普段の「俺」はこんなことしないから。
「俺」はみんなの前では 「俺」でいなくちゃいけないから。
「俺」はこんなことしない。
「俺」はもっと優しく……
もっと、こんな事じゃなくて、 みんなの役に立たないと。
でも、でも…
こんなことを していないと心が 壊れてしまいそうだから。
???
あぁ、Nakamuはいいなぁ。
色んな人に助けようとしてもらえて。
俺には助けの手すら降りて来ない。
???
ははっ
まぁ、こんな俺なら当たり前か。
あぁ、こんなことしていると、 嫉妬と憧れでどうかしてしまう。
さっさと閉じてしまおう。
あぁ、俺もこんな風に 救って欲しかったな。
まぁ、そんな願いも叶わないし、 「これ」は自分への戒めでもある。
立ち上がり、少ししか 入っていない、完成済みの ところの本棚にしまう。
さぁ、こんな 「俺」らしくないことはやめて、 他のことしなくちゃ。
俺は。
俺は……
kn
みんなの望む「きんとき」
でいなくちゃだから。
でいなくちゃだから。
その、本棚に新しく 「君があそこに行く前に」が 追加された。
第1章
「君があそこに行く前に」
~完~