さとみside

まじで自覚なしかよ.......

無意識にこういうことするのやめてほしい

だって

期待しちゃうから.......

別に

俺に気がないっていうのは分かってる

でもさ、

オレ.....

本気になっちゃったんだから

恋しちゃったんだから

そっちもオレの気持ちに気づいてよ........

そのとき_______

女性の叫び声が

川辺の方で聞こえた

莉犬と２人で

行ってみると

５歳くらいの男の子が

溺れていた

しかも、結構深いぞ

下手したら死ぬ.......

隣にいるはずの莉犬がいなかった。

嫌な予感がして

もう一度、川の方を見たら

川岸の野原に

川に入ろうとしてる

莉犬の姿があった.......

言ってなかったけど

あの川最初っから深いんだよ！？

始めは浅くて、どんどん深くなる、

とかじゃないからね！？

莉犬の身長じゃ........

自分まで溺れちゃうんじゃ........

寒気がしたオレは、

川岸へ降りていって

莉犬の腕を掴んだ。

ボチャン

オレが手の力を緩めた瞬間に

莉犬が腕をスルリと抜き、

川の中に入った。

でも莉犬は、

犬かきで男の子のところまで行って

その子を抱っこしたままこっちまで戻ってきた

....................

うん、

逆にスゴいかも

目の前に母親らしき女性が現れ

男の子を抱き締めた。

その光景を莉犬は

微笑みながら見ていた。

けど、

オレは全然嬉しくない。

別に子供のためとか、

そんなんじゃない。

莉犬のためだ。

莉犬になにかあったらどうすんだよ........

マジ危険な状況だったんだから。

オレは自分のバックにあった

予備のシャツを取り出して莉犬に渡した。

莉犬は一瞬、固まったまま動かなくなったけど

チラッと自分の制服を見て、

大きな岩の裏側に走っていた。

替えあって良かった～

あのままだと風邪引くもんな。

でも、あれちょっとサイズ違うかも.......

............まぁいっか！

オレは莉犬の姿を見る

と、

あ、やば、

ちょっと違うどころじゃない。

服はブッカブカで

肩は少し出てるし

萌え袖........

しかも、赤面している.......

天使かよ........

その笑顔やめろ.......

オレがキュン死するから......

マジで.......

ほんと好きじゃん、莉犬のこと........