芽衣視点

疑問が残りつつ、室内に戻ってくる

すると、ちょうど1階に降りてくる お兄ちゃんとばったり会った

私達は父親を亡くしてるから、 お兄ちゃんがこうして 心配するのもよく分かる

私だって、これ以上家族に いなくなって欲しくない

もちろん、ここに集まった 人達にだってそうだ

2人でリビングに行くと、 すでにみんなが集まっていた

今この部屋にいるのは、私と お兄ちゃん、まふさん、浦田さんに、 眼帯お兄ちゃんの5人だけ

けど、もう起床時間はとっくに 過ぎてるし、なんか心配……

私も気になって、ソファに座ってる 浦田さんの方に行った

耳飾りさんが、見当たらない……？

今までで一番険しい顔を している浦田さん

毎回の事件で遺体が消えたり するのも不可解だけど、今回はそれと 似たようなことが起きてるんだ

結局朝ごはんの時間になっても 耳飾りさんは来なくて、そのまま 全員食べ終わった

浦田さんを連れて、謎の水たまりが できているお風呂の脱衣所へ向かう

2人で室内に入って、 水たまりの場所まで来る

一度管理室に寄って鍵を取ってから、 2階の213号室の前まで来る

ガチャッ

浦田さんが鍵を開けて、 2人で部屋に入った

扉を開けてすぐに感じた、異様な暑さ

さらに室内は、まるでサウナの ように熱気が篭っていた

床に目を向けると、かなり大きな 水たまりがあった

大人の男の人が横たわっても、 余裕で囲めてしまいそうな大きさ

私の提案で、2人がいそうな リビングに戻ってくる

浦田視点

話を聞いて、手帳に書き込んでいく

「不可能犯罪ってやつだよ、これは」

「ほんまに、魔法でも 使ったんかってくらい……」

「“魔法”でも──」

12時

ガチャッ