タネさん
向かいましょうか。ニコッ
りう❤
どこにいるの?
タネさん
部屋にいますよ。
そう言ってタネさんが指した部屋には 赤い結界が張られていた。
りう❤
入れなさそうだよ?
タネさん
張ったものなんです。
タネさん
入ってこれないように…
りう❤
タネさん
力なら壊せると
思いますよ。
タネさん
くれませんか?
りう❤
そして俺は、 その結界に体当たりをした。
結界は思ったより脆く、 すぐに破壊することができた。
りう❤
りう❤
タネさん
すると、タネさんが 少し申し訳無さそうな顔で 俺に話しかけてきた。
タネさん
お願いがあるのですが…
りう❤
りう❤
タネさん
体力がなくて…
タネさん
運んでくだいますか?
りう❤
じゃあ、僕の
頭に乗ってね!
そして俺は、頭の上に タネさんを乗せて部屋に入った。
りう❤
部屋に入ると、 部屋の隅にベッドが置いてあった。
そのベッドの上には、 知らない人の頭があった。
タネさん
上にいらっしゃるのが
あなたのお兄様です。
タネさん
身体を何度もちぎられて…
もう頭以外は溶けて
しまったようですね…
りう❤
俺は何だか、 不思議な気持ちでいっぱいだった。
すると、タネさんは 俺の頭から降りて お兄ちゃんの側に行った。
タネさん
もう大丈夫ですよニコッ
わたくしが来ましたから。
その時のお兄ちゃんは、 すごく嬉しそうな笑顔を浮かべていた。
…しばらくすると、タネさんが 真剣な顔で話し始めた。
タネさん
りう❤
タネさん
もうすぐ消えて
しまうでしょう。
タネさん
わたくしも。
りう❤
タネさん
あなたのお兄様との
約束がありまして…
りう❤
教えてくれるの…?
タネさん
タネさん
お兄様の脳を
あなたに授ける
ことなんです。
りう❤
タネさん
この日のために、
移植の方法も
教わっています。
タネさん
移植もそう難しくは
ないでしょう。
…俺が複雑な気持ちになっていると、 お兄ちゃんが話しかけてくれた。
ない💕
そして、お兄ちゃんの脳は 俺に移植された。
移植された後、 お兄ちゃんもタネさんも 溶けて亡くなってしまった。
りう❤
分まで生きるよ。
俺しかいなくなった部屋で、 そう宣言した。
宣言後、俺は お兄ちゃんの元へと戻った。
りう❤
ただいま。
ゆうす💛
ゆうす💛
何かあったんか?
お兄ちゃんは 俺のことを心配してくれた。
りう❤
俺は心配をかけたくなかったから、 お兄ちゃんに笑顔を見せた。
ゆうす💛
お兄ちゃんは悟ったように 話し始めた。
ゆうす💛
もらったんやな…
りう❤
何でわかるの?
俺は、驚きが隠せなかった。
ゆうす💛
わかったで?w
りう❤
お兄ちゃんのこと
知ってたの?
ゆうす💛
ゆうす💛
起きたときに…
ゆうす💛
出逢ったのが
ない💕やったしw
りう❤
お兄ちゃんの名前…
ゆうす💛
あの人はない💕って
言うんや!
ゆうす💛
不思議なやつやったで…
ゆうす💛
脳がないことも
知っとったし…
りう❤
お兄ちゃんが言う通り、 あの人は少し不思議な人なんだな。
そして俺は、 さっきのお兄ちゃんのことを “ないくん”と呼ぶことにした。
ゆうす💛
会ったときは
まだ話せたけど…
ゆうす💛
ゆうす💛
りう❤
りう❤
生きてね」って
言ってくれたよ…
ゆうす💛
ゆうす💛
友達の話ばっかり
やったけどな?w
りう❤
友達想いだったんだねw
ゆうす💛
仲がええタネが
おったらしいわw
りう❤
さっきのタネさん…?)
ゆうす💛
会ったことは
なかったけどな〜
りう❤
俺、知ってるよ。
ゆうす💛
りう❤
干からびそうに
なってたっていう
タネさんのこと!
ゆうす💛
オマエが助けに
行ったタネのことか!
りう❤
ゆうす💛
ゆうす💛
脳を得ることは出来たし…
ゆうす💛
りう❤
あんまり実感は
ないかも!
ゆうす💛
まぁ、最初は
仕方ないでw
ゆうす💛
探索してきたら
ええんやないかな?
ゆうす💛
言葉も分かると思うで!
りう❤
もう一回ちょっと
探索してくるね!
ゆうす💛
りう❤
そして俺は また探査をすることにした。