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タネさん

では、お兄様のところへ
向かいましょうか。ニコッ

りう❤

僕のお兄ちゃん…
どこにいるの?

タネさん

…今はあそこの
部屋にいますよ。

そう言ってタネさんが指した部屋には 赤い結界が張られていた。

りう❤

あれ?でも
入れなさそうだよ?

タネさん

あの結界は、わたくしが
張ったものなんです。

タネさん

カンシがあの部屋に
入ってこれないように…

りう❤

なるほど!

タネさん

ですが、あなたの
力なら壊せると
思いますよ。

タネさん

一度、壊してみて
くれませんか?

りう❤

わかった!

そして俺は、 その結界に体当たりをした。

結界は思ったより脆く、 すぐに破壊することができた。

りう❤

あ、壊れたよ!

りう❤

これで中に入れるね!

タネさん

そうですね…!

すると、タネさんが 少し申し訳無さそうな顔で 俺に話しかけてきた。

タネさん

あ、あの…少し
お願いがあるのですが…

りう❤

りう❤

どうしたの?

タネさん

実は…もうあまり
体力がなくて…

タネさん

よかったら中まで
運んでくだいますか?

りう❤

わかった!
じゃあ、僕の
頭に乗ってね!

そして俺は、頭の上に タネさんを乗せて部屋に入った。

りう❤

あ…

部屋に入ると、 部屋の隅にベッドが置いてあった。

そのベッドの上には、 知らない人の頭があった。

タネさん

…あのベッドの
上にいらっしゃるのが
あなたのお兄様です。

タネさん

カンシに襲われ、
身体を何度もちぎられて…
もう頭以外は溶けて
しまったようですね…

りう❤

あれが…お兄ちゃん…?

俺は何だか、 不思議な気持ちでいっぱいだった。

すると、タネさんは 俺の頭から降りて お兄ちゃんの側に行った。

タネさん

…お兄様。
もう大丈夫ですよニコッ
わたくしが来ましたから。

その時のお兄ちゃんは、 すごく嬉しそうな笑顔を浮かべていた。

…しばらくすると、タネさんが 真剣な顔で話し始めた。

タネさん

…弟さん。

りう❤

どうしたの…?

タネさん

…あなたのお兄様は、
もうすぐ消えて
しまうでしょう。

タネさん

もちろん、
わたくしも。

りう❤

そんな…!

タネさん

先程も申しましたが、
あなたのお兄様との
約束がありまして…

りう❤

約束…?
教えてくれるの…?

タネさん

…えぇ。お話しますねニコッ

タネさん

その約束は、
お兄様の脳を
あなたに授ける
ことなんです。

りう❤

お兄ちゃんの…脳を…?

タネさん

…そうです。
この日のために、
移植の方法も
教わっています。

タネさん

お二人は兄弟なので、
移植もそう難しくは
ないでしょう。

…俺が複雑な気持ちになっていると、 お兄ちゃんが話しかけてくれた。

ない💕

…俺の分まで生きてねニコッ

そして、お兄ちゃんの脳は 俺に移植された。

移植された後、 お兄ちゃんもタネさんも 溶けて亡くなってしまった。

りう❤

…僕、お兄ちゃんの
分まで生きるよ。

俺しかいなくなった部屋で、 そう宣言した。

宣言後、俺は お兄ちゃんの元へと戻った。

りう❤

…お兄ちゃん、
ただいま。

ゆうす💛

お、お帰り!

ゆうす💛

…何か元気ないけど、
何かあったんか?

お兄ちゃんは 俺のことを心配してくれた。

りう❤

…大丈夫だよニコッ

俺は心配をかけたくなかったから、 お兄ちゃんに笑顔を見せた。

ゆうす💛

…そうか。

お兄ちゃんは悟ったように 話し始めた。

ゆうす💛

…ない💕の脳を
もらったんやな…

りう❤

…!!
何でわかるの?

俺は、驚きが隠せなかった。

ゆうす💛

いや…話し方で
わかったで?w

りう❤

え…でも…
お兄ちゃんのこと
知ってたの?

ゆうす💛

そうやで?

ゆうす💛

俺が奥の部屋で
起きたときに…

ゆうす💛

1番最初に
出逢ったのが
ない💕やったしw

りう❤

ない💕って言うの?
お兄ちゃんの名前…

ゆうす💛

そうやで?
あの人はない💕って
言うんや!

ゆうす💛

でも、ない💕は
不思議なやつやったで…

ゆうす💛

なぜか、オマエの
脳がないことも
知っとったし…

りう❤

そうだったんだ…

お兄ちゃんが言う通り、 あの人は少し不思議な人なんだな。

そして俺は、 さっきのお兄ちゃんのことを “ないくん”と呼ぶことにした。

ゆうす💛

俺がない💕と
会ったときは
まだ話せたけど…

ゆうす💛

オマエは…どうやった?

ゆうす💛

ない💕と話せたか?

りう❤

…少しだけ、かな。

りう❤

「俺の分まで
生きてね」って
言ってくれたよ…

ゆうす💛

そうか…

ゆうす💛

まぁ、話したところで
友達の話ばっかり
やったけどな?w

りう❤

そうだったの!?
友達想いだったんだねw

ゆうす💛

なんだって、
仲がええタネが
おったらしいわw

りう❤

(あ…もしかして
さっきのタネさん…?)

ゆうす💛

俺はまだ
会ったことは
なかったけどな〜

りう❤

そのタネさん…
俺、知ってるよ。

ゆうす💛

え、そうなん!?

りう❤

…うん。さっき
干からびそうに
なってたっていう
タネさんのこと!

ゆうす💛

あ〜!
オマエが助けに
行ったタネのことか!

りう❤

そうそう!

ゆうす💛

なるほどなw

ゆうす💛

まぁ、とりあえず
脳を得ることは出来たし…

ゆうす💛

どうや、気分は?

りう❤

う〜ん…
あんまり実感は
ないかも!

ゆうす💛

そうかそうかw
まぁ、最初は
仕方ないでw

ゆうす💛

じゃあ、もう一回
探索してきたら
ええんやないかな?

ゆうす💛

今まで分からへんかった
言葉も分かると思うで!

りう❤

わかった!
もう一回ちょっと
探索してくるね!

ゆうす💛

ん!気を付けや!

りう❤

はーい!

そして俺は また探査をすることにした。

この作品はいかがでしたか?

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