佳純
私…いじめられてるの…。
春日
佳純ー!オッハー!
佳純
おはよぉ!春日!
美奈
春日ーおはょ!
佳純
二人とも聞いてー!私、試合に出ることになったの!
佳純は、幼い頃からテニスをやっていたこともあり、1年生から試合出場という、珍しいことが起きた。
美奈
…何?自慢?
春日
なんか、感じ悪いんだけどー
佳純
…ごめん…。
佳純
2人だったら聞いてくれると思って…
美奈
何、その勝手な友達感。
春日
私たち、一応、友達だとは思ってないからね
佳純
…ご、ごめん。
菜月先輩
佳純ちゃーん!試合出場凄いね!
真由美先輩
すごいすごい!尊敬するよー
佳純
えへへ…。そんなことないですよー
春日
何、あいつデレデレしてんのさ!
美奈
ムカつくわー
菜月先輩
ねー!今度さぁーテニスの練習行っちゃう?
佳純
楽しそうですね!
真由美先輩
佳純ちゃんも行こ!
佳純
ぜひ!よろしくお願いします!
美奈
あいつ、ウザ
春日
なんなの!調子乗っちゃって!
佳純は、やがて先輩までにも嫌われるようになっていた。
やはり、原因は佳純だけが早いうちから試合に出れるということだ
そりゃあ、周りから見るとずるいと思わないやつはいないだろう
真由美先輩
佳純ちゃん、最近調子乗ってるよね。
菜月先輩
うん…初めは可愛かったけど…
菜月先輩
最近、馴れ馴れしくてうっとうしい…
佳純
(これだけ努力してきたのに…)
佳純
(こんなに頑張って来たのに…)
佳純
(なんで?なんでなの?)
美奈
佳純、ざまーみろ!
春日
調子乗ってるお前が、悪い!
佳純
…。ごめん…
萌香
何してるのー?
弥生
なんか、盛り上がってるから来たw
春日
萌香、弥生ー聞いて!
美奈
佳純、最近ウザくね?
萌香
あーその話か。
弥生
ま、私もウザいと思うね!
萌香
私も!!!
佳純
ご、ごめんね…。
美奈
謝って済むもんじゃないのよねー!
萌香
悪いけど、あんたがいくら謝っても許さないからねー
春日
それなー笑
弥生
ヤバみー!
美奈
笑笑
萌香
佳純ちゃんが、かわいそーう!!!
弥生
ほんどだーみんなやめてあげようねー笑
春日
笑笑
美奈
萌香、弥生。あんたらどしたの?
萌香
てえペロー!
弥生
笑笑
佳純
…。
佳純
紗良。私、部活やめる。
紗良
なんで!?いきなりどうしたの?
佳純
…。なんかねぇーやめたい気分になったの!
紗良
佳純?それ、ホントの気持ちじゃないよね?
佳純
…。うん…
紗良
私にだけでもいいからホントの気持ち言って?
佳純
うん…。
佳純
実はね…いじめられてるの…
紗良
いじめ?
佳純
うん…
佳純
なんか、最近。
紗良
そっかー。
紗良
私もテニス部なのに気づかなくてごめんね。
佳純
ううん。紗良は、何も悪くないよ
紗良
話、聞くよ?なんでも話して?
佳純
陰口言われる…
佳純
物を捨てられる…
佳純
ラケットを踏まれたり…
紗良
佳純…。それは、しんどかったね…
紗良
私も聞いてて、気持ちがしんどいよ…
佳純
グスッ…私、一生懸命やってるのに…
佳純
私ね。ママに「一生懸命やっていたらなんでも出来るようになる」って教えてもらったの。だから、それを信じて…どんなに辛いことがあっても一生懸命やったの…なのに…なのに…
紗良
佳純…。少し聞いて?
紗良
佳純、一生懸命やってるの、私も知ってる。誰よりも、努力してたと思う。自信を持って諦めないで。ね?
佳純
…。怖いもん…
紗良
そうだよね…。でもね?佳純、すごいんだよ?だって、普通の人は経験できないもの…。私たちの分まで頑張る気持ちで試合に挑んで!
佳純
そ、そうだね…
佳純
ありがと。スッキリした
紗良
私は、いつまでもいつまでも。佳純の味方だからね!
佳純
グスッ…あ、ありがとう…グスッ…
佳純の心は、紗良と結ばれた暖かい絆でいっぱいだった
佳純
ありがとう、紗良