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「ねぇ、氷織くん?」「さっきからしつこいねん」突然の事に呆然としている私に、「なんやその顔、気持ち悪い」と追い打ちをかけてきた。私は自然と涙を流していた。そんな私を見た彼は分かりやすくため息をはいた。「ごめ、ん、ね」咄嗟に言葉がでた。「謝るくらいならでってて?顔も見た無い」私は逃げるように家を飛び出した。その後の事はあまり覚えていないが、わたしは○○公園にいた。○○公園は、私と氷織の思い出の場所。「(懐かしいな)」なんて思いながらブランコに座った。数分経過したころ、1人の男性が現れた。不思議に思いその男性を見た。案の定知らない人だった。「どうも」と軽く声をかけてみたが無言だった。そのまま時間が過ぎて行くのだと思っていたが、ふと声をかけられた。「君はなんで、ここにいるんだい?」と聞かれたので「彼氏に出てってと言われたからです」この時の私は誰だか知らないその人に、嘘偽りなくそのまま伝えて見た。彼は否定と肯定もせずに、黙って聞いていた。私の話が終わると共に、今度は私が質問した。「あなたはなんで、来たんですか?」と。彼は「無意識、ですかね?」と、僅かに微笑みそういった。その後も会話を続けていたら、「あなたの言うとうりかもしれませんね。私も、頑張って見ます」そう言い残しどこかえ行ってきました。「(私、心に残るような言葉言ったかな?)」と考えたがやめた。彼いわく、数日前から奥さんが寝た気にりになり、自分は何をしたらいいのか分からなくなり、無意識のままこの場に訪れたそうだ。私は彼に、「寝たきりの状態でも声は届くはずなので、話しかけて見てはどうですか?きっと届くと思いますよ」と伝えただけのはすだ。何にせよ勇気づけられたなら良かったと、心のどこかでそう思った。
家出して2日目がたった。「こんなとこで何してはるん?」と聞きなれた声がした。目を向けてみれば烏がいた。「家でした」と私は答えた。「夫婦喧嘩か?」と笑ってきたので、「今回はそんなに甘いものじゃない、と思う」と言った。烏は驚いた顔をしていた。その後、私は烏に家出した理由を伝えた。「アホなんちゃう?」そ言われて、そんなの私自身1番理解してると思った。「氷織呼ぶか?」何て聞かれて「べつに良い」と言ってしまった。「そうか?ならええけど」その言葉を最後に、この話題は終わった。その後は他愛のない話をしていた。「そろそろ帰るな」「うん、またね」「あんま心配かけたらあかんで?」そう言い残して去っていった。「(心配、してくれてるのかな?)」そんなことを考えていると、知らない女性に声をかけられた。
その後もたくさんの人と会話をした。
3日目の朝、明らかに体が重かった。「(私、そろそろ限界なんだ)」自分の死を悟った。もともと体が弱い私が、3日間も外にいて、食事も取らずにいるから当たり前と言えば当たり前なのだ。「(最後に羊ちゃんに会いたいな)」そんな考えが頭をよぎった。今日は11月29日、明日は氷織の誕生日だ。気づけば電話をかけていた。相手はもちろん氷織だ。「もしもし」「電話もとらんでどこおるんッ」スマホ越しに焦っている声が聞こえた。「(心配してくれてたんだな)」と少し嬉しくなった。「羊ちゃん、」「どないしたん?」「いつも私のわがままに付き合わせてごめんね」「いきなりどないしたん?」「最後に、わたしのわがまま聞いてくれる?」言い終えたあとに気づいたのだか、私は泣いていた。「最後って何ッ?○○ちゃんとお別れとかいややッ」そう言い氷織に向かって「お願い、羊ちゃん」「ッ…」はじめこそ否定していた氷織も、泣いていることに気づいたのか「ええよ」と優しい声で答えてくれた。「(あと少しで、羊ちゃん誕生日、)」そんなことを考えてたら「○○、ちゃん?」と私を呼ぶ声がした。「あと少しだけ待って」氷織は困惑していた。「(3、2、1)…羊ちゃん、誕生日おめでと!ずっとずーっと大好きだよ!」その言葉を最後に、私の体は地面へと落下した。「○○ちゃん大丈夫?すごい音したけど、」「(羊ちゃんに出会えて、幸せだったな)」「なぁ、○○ちゃんッ?」朦朧とした意識の中で、氷織の声はハッキリ聞こえた。完全に意識が消える直後、彼は測ったかのようにして「僕も○○ちゃんのこと大好きやで」と優しく言ってくれたので、私は笑顔で永遠の眠りについた。