ゆあです。
今回は乱太を書きたいなぁと思ったので書いてみました!
頭脳派コンビなので少し知的な感じに出来たらなと思っております。(できるかは分かりません)
それでも大丈夫な方のみご覧下さい。
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《乱歩視点》
「太宰はさ、硝子玉(ガラスダマ)みたいだよね。」
「?」
「なんですか?いきなり。硝子玉?私が?」
太宰はそう言って少し笑った。声と顔は笑っていたけど目は全く笑っていなかった。
「私が硝子玉のように美しく透き通ったものならば、他の生物は形が分からないほど透明でしょうね。」
「?僕は別に硝子玉みたいなのが美しいとか透き通ってるって話はしてないけど?話を変えるな。」
そう言うと太宰は一瞬きょとんとした顔をして、その後すぐむすっとした顔になった。
「じゃあ硝子玉のようとはどういうことだったのですか?」
「空っぽってこと。太宰自身は空っぽで、でも常に周りの何かが写り込んで色んなモノに変わる。」
「、、、つまり何が言いたいんです、?」
「可愛くて面白いねってことを言いたい。」
それを聞くと太宰ははぁ?と呆れたように言って少し頬を火照らせ(ホテラセ)た。
「、、では、乱歩さんはご自分をどのようなものだとお考えで?」
「僕?」
太宰が同じ質問を投げ返してくるのは予想外だったな。
「うーん、、、 、太宰は僕のこと、どんなものだと思う?」
「質問を質問で返さないでくださいよ…」
「まぁ、ほら!いいからいいから!どんなものだと思うの??」
太宰は困ったように5秒程顔を下げて、あっ!とひらめいたように顔を上げた。
「乱歩さんは飴玉(アメダマ)みたいです!」
この回答も予想外だった。
「なんでそう思うの?」
「他のモノに染まらない所とか、あと見落としてしまいそうなほど小さなヒビが沢山入っているところとか。」
太宰はニヤリと厭な笑みを浮かべた。
「ヒビ?」
「えぇ。ヒビです。」
「僕は自分にヒビが入ってるなんて思わないけど?」
「そりゃあ、私にしか分からないほどの小さな小さなヒビですから。」
「……嗚呼、成程ね。」
「判って頂けましたか?」
「逆に僕に判らない事があるとでも?」
「いいえ。ただ認めてくださらないかと思いまして。」
「…」
少しの間沈黙が続いた。
が、その沈黙を切り裂くように太宰が
「そのヒビ、埋めて差し上げましょうか?」
と微笑んだ。
「お前に埋められるの?」
「えぇ。私は色々なモノに変われる硝子玉ですから。」
太宰はそう言って、白くて細い指をした綺麗な手で、僕の頬を撫でた。
(冷たい…)
何秒か頬を撫でたら次は優しく、暖かく抱き締めてきた。
まァ、物理的に言えば暖かいと言うより冷たかったけど。
「…ヒビ、埋まりそうですか?」
「こんなんじゃ足りないかも。」
「欲張りですね。」
「お前が埋めてやるって言ったんじゃないか。」
「ふふ、そうですね。 じゃあ、もう少しこのままで。」
「…うん。」
心がじんわりと温かくなっていくような気がした。だが、それと同時に此奴(コイツ)の、太宰の心は誰が温めるのだろうとも思った。
(仕方ない、、少しだけ温めてやるか。)
僕は右手で太宰の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「?」
「乱歩さん?」
「別に私はヒビがないので大丈夫…」
「煩い!!黙って撫でられてろ年下!」
太宰は驚いた顔で僕を見て、それから弱々しい小さな声で
「有難うございます、」
と言った。
此奴はきっと疲れを取る方法を忘れてしまっていたのだろう。
何時も薄っすらとクマがあったし、疲れた顔で笑っているように感じたから。
僕以外がそれに気づく前に温めてやらないと、太宰が壊れてしまいそうだ。
何時も仮面を被っている太宰が、うっかり仮面の下を見られた時どんな反応をするのか実際に見てみたいとも思ったが、
僕はそこまで意地の悪い人間では無いので大人しく仮面を外す練習をさせてやった。
それに反応くらい予想できるし。
そんなことを考えていたら太宰からスースーと一定の呼吸音が聞こえてきた。
(寝た…)
案外僕は人を休ませるのが、温めるのが得意なようだ。
どうか、夢の中でくらい太宰を休ませてあげてくれないか。
太宰に呪いをかけた亡霊さん。
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終わりです、!!誤字脱字があったらごめんなさい💦
どうでしたかね…初めての1話完結……
ぱっと思いついてあまり時間をかけずに書いたのですが、、、、
ちなみに亡霊さんは織田作です。『人を救う側になれ』という呪いを太宰さんにかけてこの世を去ってしまった織田作のことを、乱歩さんなら推理でちょちょいと判ってしまうかなと思いまして…それに1度?会ってますし!乱歩さんと織田作。
それを知ったら太宰さんはなんで織田作をとめなかったんだと乱歩さんをせめるのでしょうか…
ではまた次の話で。
コメント
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この人は神かなんかかな?