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「チハルさんお待たせしたかな。」
「ルノアーさんありがとう。」
料理を持ってきたルノアーにお礼を言う。
「このスープがポトフですか、具が沢山入っていますね。」
「美味しそうですねー、カリカリベーコンサラダって野菜感ないですね。」
「まぁ芋だからね。」
「たまごさんどおいしそうです。」
「さぁ食べよっか、ルノアーさんコレ昼食で作ったけど朝ご飯メニューでお願いしていい?」
「それは構わないぞ、どれもそんなに大変じゃないからな、スープもほぼ入れて煮込むだけだから逆に簡単で助かる。」
「それではいただきます。」
「「「いただきます。」」」
3人も続けて食べだす。
「んー、ポトフもいい感じ、オークベーコン美味いなー。」
「本当ですね、味が出てますけどあっさりした感じでとても美味しいです。」
「ポテトサラダ美味しいです!マヨ感が何とも言えませんね!」
「・・・もぐもぐもぐもぐ」
どれも皆には好評のようだ、千春もニコニコで食べる。
「チハルさん、この料理王族にも出して良いか?」
「オークベーコンが問題ないなら大丈夫だよ。」
「有難う、スープのメニューをそろそろ変えたかったんだ助かる。」
「ソーセージとか有ればまた食感も変わって美味しいんだけどねー。」
「ソーセージ?腸詰めの事か、あるぞ?」
「あるんかーい。」
「しかし腸詰めを入れて美味しくなるのか?」
「味付けと言うか中に入れるハーブで味が変わるからなー、一度食べさせてもらっていい?」
「それならボイルしてくるぞ、ちょっとそれ食べててくれ。」
「はーい。」
ルノアーはそのまま厨房に行きベーコンが入っていた部屋へ消えた。
「ソーセージって何の肉使ってんだろう。」
「そうですねぇ、色々な肉で作ってますけどやっぱりオークが多いですね。」
サフィーナは作り方を知っているようだ。
「何?この世界オークどんだけいるの?」
「オークとゴブリンは繁殖力が高いのであっちこっちで集落を作ろうとするんですよ、だから冒険者や狩人がよく殲滅しに行ってますね、たまにオークの上位種が出たら王国軍が動きますね。」
「オークキングとか?」
「キングが出たら第一騎士団が全員出ますね、一度北の山に出て討伐に行ってたらしいです。」
「へぇー、それでオーク肉が大量に出回ってるのかー。」
「はい、冒険者ギルドでも肉は常時依頼で出てますから。」
「冒険者ギルドかー見てみたいな。」
「見てどうするんです?」
「いや、単純に見てみたいだけなんだけど?」
「見に行きます?これから用事は無いですよね。」
「見てみたい!食べたら行こう!」
「分りました。」
サフィーナは食事を終わらせ少し待つ様に言うと席を立った。
「チハルさん、これが腸詰だ。」
「おー!ちょっと太いソーセージだ、フランクフルトだね。」
そう言って一つフォークで刺し齧り付く。
「うっ・・ニクニクシイ・・・・」
「だろ、保存食だからな。」
「一応燻製はしてあるんだ、なんでハーブ入れないかな。」
「ハーブを入れるとどうなるんだ?」
「美味い。」
「単純だな、どんなハーブを入れたら美味いんだろうな。」
「そうだね、ペッパー、ガーリック、ナツメグ、セージあたりが確かよく使われてたはずだよ。」
「ほう、ちょっと肉屋に伝えて作らせるか、流石に胡椒は高くつくから分かるのはガーリックとセージあたりか。」
「楽しみにしてるよ。」
「あぁ有難う。」
そう言ってルノアーは厨房に戻って行った。
「腸詰ってあまり好きじゃ無いです私。」
「へー、それじゃぁ厨房からマスタードとケチャップ貰って来てよ。」
「はい、取ってきますねー。」
モリアンは厨房に取りに行く。
「はい、チハルさん持ってきましたー。」
小皿に入った粒マスタードとケチャップをテーブルに置く。
「マスタードあるんかい・・・」
「持ってこいって言ったのに何ですその反応。」
「いや、あると思わなかった、変に調味料とかあるよねこの世界。」
「そうなんですか?」
「あーでも粒のままかー、加工しては無いのね。」
粒のマスタードを見ながら千春は数粒取り出す、そしてフォークの背でプチプチ潰していく。
「何してるんです?」
「調味料作り。」
「へー、手伝いましょうか?」
「いや、試したいだけだから大丈夫だよ。」
そう言って一口サイズに切ったフランクフルトにケチャップを付ける、そしてパラパラっと粉マスタードを掛ける、そしてパクっと口に入れる。
「・・・・・うん、イケるね・・・・・モリアンなに口開けてんの?」
「食べたいなーと思って?」
「はいはい。」
同じようにケチャップを付け粉マスタードを掛けて口に入れる。
「・・・・お・・おいしい。」
「でしょ?」
「ユラちゃんにはマスタード無しね。」
ケチャップを付けたフランクフルトを口に入れる。
「・・・・もぐもぐもぐ。」
必死に首を縦にふりコクコクコクと頷く。
「これ、ケチャップとマスタードあったらハーブとか入れなくても美味しいじゃ無いですか。」
「違うのよーそれが、入れるとさらに美味しくなるんだよ?食べたくない?」
「食べたいです!」
「でしょう?」
「チハルおねえちゃんもっとたべたい!」
「もう少し茹でて貰おうか。」
お昼を食べたのにまだ食べたそうにする欠食児童のような2人の為に千春はルノアーを呼ぶ。
「おうー、どうした?」
「腸詰をもうちょっと茹でて欲しいなーって。」
「そう美味いもんじゃないだろう?」
「いえ!ケチャップとマスタード掛けると劇的に美味しくなりました!」
「なんだと?ちょっと待ってろ。」
ルノアーはまたフランクフルトを取りに行き直ぐに茹でだす、あれやこれやとしている間にサフィーナが帰って来た。
「チハル、街に出れる様に言って来たわよ、護衛が付くけど良いわよね。」
「うん、それはしょうがないよね。」
「所で何してるの?食事は終わったのでしょう?」
「いや、ちょっとフランクフルト・・腸詰の味見をしてたんだけど追加を頼んでてね。」
「あまり美味しく無かったでしょう?」
「サフィーナさんそれが美味しいんですよ!」
「サフィーおねえちゃんふらんくふるとおいしいよ!」
美味しくないと否定するサフィーナにモリアンとユラは反論する。
「へぇ、それで?今調理中?」
「うん、今また茹でてもらってる。」
「モリアンは何してるのかしら?」
モリアンを見るとマスタードの粒を皿の上で潰して粉にしていた。
「あーマスタードを粉にしてくれてるんだよ、これ掛けるとピリッとして美味しくなるの。」
「へぇ。」
「チハルさん茹でたぞ、俺も少し貰いたいから多めに茹でてきた。」
「ありがとー、それじゃぁこのケチャップと潰したマスタードを付けて食べてみて。」
ユラはフォークに刺したフランクフルトにモリアンがケチャップをかけてあげている。
「何だコレは、美味いな!」
「美味しいわね、ケチャップも凄いけどマスタードも美味しいわ。」
「ケチャップがハーブいっぱい使ってるからね、因みにパンに細かく刻んだ玉ねぎとこのフランクフルトを挟んでケチャップとマスタード掛けて食べると『ホットドッグ』って言う料理になるんだよ。」
「うん、それは想像しただけでも旨そうだ、ちょっと作って試食してみる、明日の朝飯にでも出せるようにしておくからチハルさんも出来たら食べてみてくれ。」
「わかった、頑張って作ってね、ハーブ入りソーセージが出来たらもっと美味しくなるからね。」
そして4人は席を立ち外に出かける準備をする為一度千春の部屋に帰る。
「お腹いっぱいですよー。」
「おなかいっぱーい。」
「2人とも食べ過ぎだよ、買い食い出来ないじゃん。」
「それまでにお腹減らしときます!」
「そんな簡単に減らないでしょ。」
「気合です!」
「きあいです!」
モリアンとユラは気合でお腹を減らすらしい。
「王都の周りで魔物って一杯でるの?」
「それなりに出ますね、ただ森に入らなければ初心者の冒険者でも倒せるくらいの魔物しか出ませんよ。」
「森の中はヤバいのか。」
「えぇ、奥の方に行くと強い魔物が多く出ます、上級の冒険者パーティなら問題無いですけどね。」
千春はふと思っていた事を聞いた。
「ドラゴンとかは居ないの?」
「居ますよ、森で見たと言う話しは聞きませんけど。」
「いるんだドラゴン、美味しいのかな。」
「ドラゴンなんて食べたら王都が消えますよ。」
「なんで?」
「南の山脈と西の湖近辺にドラゴンの集落がありますけれど、もしそこでドラゴンなんて狩れば報復されますね。」
「ドラゴンって頭良いのか。」
「人間よりも良いですよ、手を出さなければ襲われることはまず有りませんし話も出来ます。」
「喋れるのか!すごーい!見に行きたいなドラゴン。」
「無茶言わないでください。」
「ユラどらごんが飛んでるところみたことあるよ。」
「それじゃやっぱりユラちゃんは南山脈近くに居たんだろうね。」
それじゃぁ西だな、と、見に行くつもりの千春はサフィーナに一応聞いてみる。
「西の湖近辺にいるドラゴンの場所ってどれくらい離れてるの?」
「・・・・だめですよ?」
「まだ行くとは言ってないよ!聞いただけだよ!」
「もう、馬車で1か月くらい掛ります、もちろん片道で。」
「むーりーだー!往復2か月なんて無理じゃん!」
「まぁ数十年に一回くらいはふらっと飛んでくるドラゴンも居ますから見れるかもしれませんよ。」
「前に見たのは?」
「25年くらい前に飛んできたらしいですね。」
「・・・扉消えてるかもしんないじゃん、無理かー。」
諦め気味に千春は溜息を付きながらしょぼくれる、そして千春の部屋に着いた。
「それじゃ寝室の方で着替えますのでユラちゃんとチハルはこちらへ、モリアン私達の服を持って来てくれる?」
「はーい、この前みたいな服でいいの?」
「ええ、ちょっと地味な感じでお願いね。」
「了解!」
モリアンはそう言って部屋を出て行った、サフィーナのコーディネートで町娘っぽい服装に着替える、いつの間にかクローゼットが増えておりユラ用の服が数着入っていた。
「いつこれ準備したの?」
「今日です。」
「早いな王宮!」
「それはそうですよ、第二王女ですもの、服屋が来て直ぐに準備しました。」
「ぐっじょぶ服屋、めっちゃ可愛いじゃん。」
ユラはちょっと良い所のお嬢さんと言う感じの服を着てクルクル回っている、ひらひらが楽しいらしい。
「持ってきましたー!」
「それじゃ私達も着替えましょうか。」
モリアンとサフィーナも着替え準備が終わる頃ドアがノックされる。
「少々お待ちください。」
モリアンがさっとドアに向かう、そしてドアを開けると第一王子のエンハルト殿下がこの前の様な服で来た。
「街へ行くんだろ、この前は途中で帰ったからな、続きと行こうか。」
「冒険者ギルドを見に行くだけだよ?」
「あぁ、でも途中の店とかもどうせ見るだろう?」
「そりゃー見たいの有ったら見るかも。」
「だろ?準備が出来たなら行こうか。」
「はーい、皆できたー?」
「「「はーい」」」
そして目的地は冒険者ギルドに決まった。