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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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ワクデイジーで注文するために列に並んでいた。列が進み僕も1歩前に出る。

するとペチャっと足元で聞こえ足元を見る。

水溜まりがあり、そこに足を突っ込んでしまっていた。

「うわっ」と声を出し咄嗟にその水溜まりから足を出す。

清掃の途中なのかと思い顔を上げる。するといつの間にか目の前には大きな水槽があった。

辺りも先程と違い、水族館特有の薄暗さになっていた。

その巨大な水槽にはなにも魚がいなく、なびく海藻と珊瑚があるだけだった。

その巨大な水槽を見ていると奥からシロイルカがこちらに向かって泳いできた。

僕の目の前まできたシロイルカは僕に右ヒレをパタパタし手を振ってくれた。

その可愛さに僕の口角は自然と上がり、僕も手を振り返した。

可愛いシロイルカを夢中で見ていると不意に右肩を叩かれ

「あの、これ落としましたよ」

と見ず知らずの男の人が僕に猫の置物を僕に渡した。

「いいね」と親指を立てている猫の置物を受け取り

不意に渡されて咄嗟に受け取ってしまったが「人がいた」と思いパッっと周りを見ると

先程は僕1人だった巨大水槽の前に連休の水族館のように人が溢れていた。

巨大な水槽に視線を移すと、先程はなびく海藻と珊瑚、シロイルカしかいなかった水槽に

綺麗な熱帯魚が泳いでおり、マントをたなびかせるように優雅に泳ぐエイ

浮力に逆らいながら歩いているような大きなカニがいた。

熱帯魚のまとまっているがバラバラに泳ぐ様子

マントのように波打たせながら泳ぐエイ

歩きづらそうなカニを観察しているとそのみんなが陰に包まれる。

上のほうを見ると、とてつもない大きさのジンベイザメが泳いでいた。

ジンベイザメのお腹や尻尾の辺りには何匹ものコバンザメが共に泳いでいた。

水槽の上からの光が水面や水槽に乱反射し床に不思議で独特な模様を映し出す。

僕はひさしぶりの水族館の雰囲気に心が子供に戻った気がした。

もっと近くで見ようと水槽に近寄り両手を水槽にペタッっとつける。

水の冷たさがガラスに伝わっているのか

掌にひんやりとし固くすべすべ、ツルツルした感覚がする。

しばらく眺めていると奥からジンベイザメがこちらに向かってくるのが見えた。

ジンベイザメを正面から見たことあったっけ?と思いワクワクしながら

ジンベイザメが近寄ってくるのを待った。

ジンベイザメが少しこちらに近寄ったところで掌の感覚が変わった。

今までひんやりと固くすべすべ、ツルツルした感覚だったものが

ひんやりと柔らかく手に吸い付くようなスライムのような感覚になる。

その掌の感覚の変化に「なんだ?」と思い手元を見る。

すると水槽のペタッっとつけていた手がどんどん水槽の中に吸い込まれていた。

なにが起きているのかわからず頭を整理しようにもできない。

驚いている間に腕が完全に水槽の中に入っており

いつの間にか顔がガラスギリギリに近づいていて、顔もぐにょーと水槽の中に入っていく。

水の中のはずなのに濡れた感覚も息苦い感覚もなく不思議な感覚でいると

水槽の奥のほうからジンベイザメが大きな口を開けてこちらに迫ってきた。


あぁ、このままだと飲み込まれる!


と恐怖に心臓が警笛を鳴らしているとハッっと視界が変わる。

寝ぼけているようなはっきりしているような視界に入ったのは

自然光で照らされた自分の部屋だった。


あぁ、夢だったのか


と思い仰向けで天井を見ながら一度深呼吸をする。

枕元のスマホに手を伸ばしホームボタンを押し、電源をつけ、時刻を確認する。

11時43分。もう一度布団の中に潜り込んだ。まだ4時間ほどしか寝ていなかった。

その後1時間ほど寝ると妹が起こしにきた。

「お兄ちゃんもうお昼ご飯だって!」

布団の上から太ももお尻の辺りをパンバンッっと叩かれる。

「あぁ、はぁーふぁ〜。起きる起きる」

布団から顔を出すと自然光で照らされた部屋が少し眩しく感じて目をギュッっと瞑る。

「結局昨日何時に寝たの?朝ご飯起こしにきたのに全然起きんかったけど」

妹がドサッっと足元に座る。足元がグッっと下がる。僕は起き上がり

「マジか。全然気づかなかった。ちな昨日は寝てない」

と言い終わりと同時にあくびが出る。

「オール?」

「オール。まぁオールか?寝てるけどオールって言えんのか」

「知らん」

「朝7時くらいに寝た」

「大学生ヤバ」

「大学生なんてみんなこんなもんよ」

ベッドから起き妹の横で胡座をかく。

「ほれ、行くぞ」

と妹を立つよう妹の背中を掌で押す。妹がぴょこんと立ち上がる。

僕もその導線を辿るように立ち上がり

また妹の背中を掌で押し、先に部屋から出し、僕もすぐに部屋を出る。

「お兄ちゃんお兄ちゃん」

部屋を出ると僕を待っていた妹がニヤニヤした表情で僕の呼称を呼ぶ。

「なーに」

「妃馬?さんって人とはどーなの?」

妹が少し前で廊下を歩きながら話す。

「どーって?」

「そりゃーねぇ?」

「夢香が期待してるようなことはなにもない」

「ほんとぉ〜?」

「ほんとってなんだよ」

階段に差し掛かる。

「ほら階段。気つけろ」

「おっと。ほんとだ。お兄ちゃんなんか雰囲気変わったよ?」

「どこが?」

「どこがって言われるとわからないけど」

「じゃあ気のせいだろ」

「でも「雰囲気」が変わったって、どこがどうって説明できなくない?」

「…。まぁたしかに」

「ほらぁ〜」

階段を下りきり洗面所の前に来たので

「オレ歯磨いて顔洗うから先リビング行ってな」

「あーいよ」

そう言い僕は洗面台で水を出し、歯ブラシを濡らす。

リビングの扉を開ける音がする。歯を磨き口の周りについた歯磨き粉ごと顔を洗う。

タオルで顔の水分を取りリビングへ向かう。

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