しにがみside
飲んだその時はなんとも思わなかった。
美味しいな、としか。酔ってたし。
その日の夜はぺいんとさんも酔って危ないから泊まることになった。
「じゃ、おやすみなさい」
「おやすみー」
僕の家にはベットがひとつしかないので枕を並べて寝る。
何も考えず眠っていた。
ぼふんっ
「…んん?」
大きな音がしたから、ぺいんとさんが寝相悪くてベッドから落ちたのかと思った…が
目の前にいるのは僕の知っているがしらないぺいんとさんだった。
そう、なんというか……5年くらい前の。
「は、え、は?え、え??」
寝起きで、混乱して頭が働かない。
当の本人はすやすやと眠っている。
そして本当のぺいんとさん?は居ない。
「え、え、ええ〜、、、」
どう見ても僕が一緒に呑んでいたぺいんとさんじゃないのだ。
だって今は、パーマをかけて髪の毛は真っ直ぐなはずなのにくるくるだし。
太ってるし!
見知った顔に安心感を抱き、彼を起こした。
「えっと…ぺいんとさん、でいいのかな、起きて〜」
ゆさゆさと彼の体を揺さぶるとしぶしぶ目を開けた。
「んん…ん、は…?え?誰…?」
「え、ぺいんとさん、ですよね?」
「その声、しにがみ?」
「はい…」
「お前何歳だよ……俺22だぞ」
「僕は25です」
「はあ?まじか…え、信じらんねえ…てことは、」
「はい?」
「タイムスリップ、的な感じ?」
「多分……」
「はあああ〜…」
ぺいんとside
「は?誰?」
「そ、そっちこそ誰ですか!!」
誰、なんて聞いたがもう分かっていた。
彼は特徴的な見た目だったから。
「はあ〜、しにがみじゃん…お前いくつ?」
「え、ええ?僕…20歳ですけど…」
「うわ!わっか…!!」
しにがみくんが20、ということは5年前。
俺は5年と比べたら見た目がだいぶ変わったからわからないだろう。
「ていうか、誰なんですか?通報しますよ!」
「ちょ、ちがう、俺ぺいんと。27歳」
「は…は?!?!」「うん」
「嘘だ!絶対偽物!」
「ほんとだって!」
「証拠!証明できるもの見せてくださいよ!」
「しょ、しょうこぉ〜……?
…2016年の2月27日に、俺らが付き合った…とか?」
「っ、え、確かに、その情報知ってるの日常組しかいない、け、ど…う〜わかった、ずっと疑っててもしょうがないから信じてあげます。タイムスリップ、的な」
「だな。そう考えると、25歳のしにがみは2023年のままで22際の俺が2023年に行ってるのか…?信じらんねぇな」
「本当ですよ…ていうか、すごい、見た目変わりましたね」
「まあ痩せたからな」
「なんか、かっこよくなった」
「……はあ?」
しにがみくんが少し照れたように言うものだからこちらまで恥ずかしくなってしまった。
コメント
1件
( ˙꒳˙ )oh......最高、、神、、☆