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獅子王

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3

第3話 ペンダントの君は

♥

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2023年03月11日

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まさに戦いは壮絶を極めた。

男は大剣を縦横に閃かせ実に一度に三人を切り飛ばした。

曲者も敵強しと見て男をぐるっと囲む。

男の背中が無防備になり切り付け用とした瞬間

小さな影が飛び込みあっという間に曲者の手首を切り離していた。

曲者はぎょっとした。

「子供か?」

「まさか‥」

曲者の目にも異様に見えただろう。

華奢な美しい少女が自分達をにらみ血の付いた剣をこちらに向けている

しかし熟練者の自分達が手玉にとられている、曲者達も警戒心を強くした。

少女の腕はまさに鬼神そのものだった。

疾風の如く大地を駆け、体全体のバネを使い、2本の短剣を手足の様に

自在に操り獣のように低く駆け相手の体を切り刻んでいった。

少女が2本とも剣を敵に突き刺した瞬間曲者4人が少女に覆い被さった。

「!!」

「ルウ!!」

助けに行こうとするが曲者は通すまじと剣を繰り出してくる。

「ルウ!!逃げろ!!」

曲者が剣を振り上げたその時

曲者がこちらに吹っ飛んできた。

「うぇぇ!!」

皆腹を押さえながらのたうち回っていた。

少女は鎧を着けた大の男4人を軽々と小さな握り拳で吹き飛ばしたのだ。

「気持ち悪い」

剣を引き抜き返り血を浴びた少女は闇夜に不気味にうつっていた。

曲者達は泣かんばかりに怯えきっていた。

そう目の前をいるのは少女の姿を借りた「何か」だ。

少女は表情を変えずに剣をふるった







20人の曲者達はあるものは手足がグシャグシャに折れ

あるものは逃げ出そうとして岩につまずき川に落ちていった。

少女は顔を洗いきちんと剣の血を拭き取り腰に戻した

空を見上げるともうとっぷり更けた夜だ

今日はここで野宿する事にした。

男は近くの民家に食料を買おうとしたが、少女に足がつくといわれ

仕方なく諦めた。

「だがどうする?弓矢も何も持っていないぞ?」

少女はにっと笑い

「任せて」

と自信満々に胸を張った。

少女は剣をぴょいと投げただけで猪を仕留めた。

そして慣れた手付きで石で竈をつくり、

猪を捌いてたちまち火にくべてしまった。

ふたりは火を囲むように座り見事に焼けた猪を食べていた。

「なぁルウ」

「なあに?」

「その剣はなんと言うものだ?」

少女は目をぱちくりさせた

「そんなに珍しい?」

「剣とは普通1本なんだが‥」

「これね、双剣て言うんだ。」

剣を見せようとして首を横にすると、何かがするりと首から下がった

「?」

「ルウそれはなんだ?」

「それって?」

「その首から下がっているやつ。」

良く見てみるとそれは純銀でできているペンダントだった

少女は身に覚えが無い物らしい

少女はそれを手に取り、不思議そうに眺めた

「あれ?これ開くぞ?」

「なんだと?」

開くと中には肖像画があった。

いや肖像画にしては出来すぎている物だ。

少女も男も目を見開いた。

美しい

腰まで流れる黒曜石の様な真っ黒な髪をしていてきらきらと輝いている。

そして瞳

まるで夏の新緑を閉じ込めたようなひんやりとして暖かい

双方に煌めく緑色の瞳。どこまでも深く透き通り、いっそ引き込まれそうな‥

奇妙な服だ。たっぷりとした白い布が膝まで覆う衣服を着ていて、

剥き出しの両腕には分厚い銀の腕輪を嵌めている。

真っ黒な髪の上には銀の輪が乗っていてその中心には

瞳の様な美しい緑色の宝石が嵌め込まれていて、見事に髪に映えている。

白い肌に薔薇の様な真っ赤な唇

少女の様に愛らしい顔立ちなのにその表情は青年そのもの


女か男か分からない美しさだった


「ルウ‥この人は?」

横を振り向き男は絶句した。

少女は全身から汗が吹き出し手足は震え、目は虚ろ、歯の根が震えている。

ただただペンダントを壊れる程握り締め、肖像画に見入っている。

「ルウ!!しっかりしろ!!」

肩を激しく揺らすとようやく瞳の焦点が合いこちらを見つめた。

「ロ‥‥ウ‥‥‥?」

「ああ‥俺だ‥」

少女は深く息を吸い込みようやく落ち着いたようだ。

「大丈夫か?」

「ああ‥」

「どうしたんだ?いきなり」

少女はもう一度肖像画を見つめ、ゆっくりと舌を動かす

「もしかしたら‥こいつは‥」

「俺の世界に居た奴かも知れない。」

「なんと‥」

少女は肩を上下に上げ下げさせながら、

「俺は‥多分こいつを知っている」

泣きそうな顔になった。

知らないのに、会ったこともなくて、記憶に居ないのに

_おはよう!

「お前は‥誰なんだ」

_約束だぞ?このやんちゃ坊主め~!

「何で‥悲しいんだ」

_どこにいても、君を見つけてあげる

「たまらなく‥君に‥会いたいよ‥」

絞り出すように呟いた。

男はそれ以上検索をしなかった。

二人はそのまま火を囲むように眠りに落ちた。

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コメント

3

ユーザー

美人て い い よ ね

ユーザー

美人…美人…びじn➵♥´ཫ` )グハ 0(:3 )〜 _('、3」 ∠ )_ ⚠コレは幽体離脱です(?)⚠

ユーザー

自分の思うキャラクターを想像してね

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