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扉に掛かっていた看板が
「 O P E N 」に変わって少しすると 、
数十人お客様が集まる .
その中でも B A R が初めてっぽい
若い女性が目に入った .
最初はあわあわしていたが 、
勉強してきたのか 、
最終的に胸を張ってカウンター席へやってきた 。
それから少しして 、
他のお客様のお相手をしている間 、
少し女性を気に掛けてみると
何も頼まずにずっと緊張しているようだ .
声を掛けようか迷っていると 、
先輩が 、
「 .. お客様 ? 何にしましょうか ? 」
と 、 分かりやすい営業すま ~ いるで
優しく話し掛けた .
「 ぇえ っ と .. 」
女性は突然話しかけられて 、
驚いたのか焦ったように
下を向いた .
「 .. 決まらないのであれば 、 」
「 私のオススメでもよろしいでしょうか ? 」
「 .. 、 ! 」
そう先輩が言うと 、
女性はパッと先輩の顔を見た .
.. 流石先輩 .
そう感心している間に
先輩は作り始めた .
「 .. ── ! 」
「 ~ 、 」
聞き慣れない声が奥の方からするな 、
と思い其方に目を向けると
ナンパをされているのか 、
トイレの前で2人の男性が
1人の女性に声を掛けていた .
俺のお店でナンパ等は
して欲しくないのだが 、
そんな事を思っていると 、
「 すまいる ~ ! 」
と後ろから小声で呼ばれた .
後ろを振り向くと 、
なかむ先輩が申し訳なさそうに
此方を見ていた .
「 ? 」
「 .. あのさ 、 」
「 どのサラミ使えばいいかな ? 」
「 ぁあ 、 サラミですか .. 」
「 だったら ── 」
「 .. 、すみません 」
なかむ先輩に右の方に置いてある奴を
使って欲しいと言おうとすると
後ろから声が聞こえた .
「 .. ぁ 、 此方後ででいいよ ! 」
そうなかむ先輩が言ってくれたので
俺はお客様の対応をすることにした .
「 どうされました ? 」
「 .. あの 、 “ ピンクのポンピエ ” を .. 」
.. ピンクのポンピエ .
そんなものは存在しない .
しかし 、 俺の店には 、
「 特別 」 な裏メニューがある .
それがピンクのポンピエ .
女性用のお手洗い場のポスターで
飾ってある 、 裏メニュー .
「 .. かしこまりました . 」
俺は普段どうりに 、
ポンピエを作りだした .
その状況に不安に思ったのか 、
不審そうな目で此方を女性が見ている .
少ししてカクテルが出来上がると 、
俺はカウンターの下から紙を取りだして 、
カクテルと共にその紙をお客様に出した .
「 ! 」
その紙を見たお客様は 、
一気にカクテルを飲み込むと 、
ミニスイングドアの前にやって来た .
俺もミニスイングドアに近づくと 、
ドアを開いて此方に手招きした .
そうして安心したように
女性が此方に入ろうとすると 、
突然さっきのナンパ男2人のうちの1人が 、
女性の手を掴んだ .
「 .. ッ なんですか ? ! 」
「 .. いやいや w 」
「 其処 、 関係者以外ダメでしょ w 」
「 .. いや 、 私は ッ .. 」
「 関係者 ? だったら 、 」
「 此処でお酒飲まないよね ~ w 」
「 .. ッ 、 」
此処までしつこい男の人は
初めて見た .
それにわざわざ大きな声で ..
注目の的にして 、
カウンターから離すのが狙いだろう .
「 .. お客さ ッ ── 」
「 お客様 、 」
俺が男2人をどうにか
説得しようとすると 、
なかむ先輩が後ろからやって来た .
「 申し訳ありませんが 、 」
「 此方の方はこの B A R で 、 」
「 昔働いていた先輩でして .. 」
そういうなかむ先輩の意図に気がついたのか 、
女性も 、
「 .. そうです ! 」
「 .. この人達の働きっぷりを見に 」
「 こっそり来たんです ! ! 」
「 バレましたけど 、 」
そう女性が言うと 、
男性は諦めたのか 、
軽く舌打ちをして机にバンッと
お金を置くと直ぐに店を出ていってしまった .
「 .. 、 」
「 .. せ 、 先輩 .. ありがとうございます . 」
「 いやいや ~ ! 気にしないで ! 」
「 それにしてもすまいるがナンパ対策してるとは .. 、 」
「 なんですか 、 」
「 いや 、 案外しっかりしてるな ~ って 、 」
「 案外 ? 」