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「こんにちは……」
木で組み立てられたその小さなカフェは、特にチェーン店らしくもなく、“家族で営む店”という感じが凄かった。
『ここで待ってて。メニュー持ってくる。』
その子はいつ着替えたかも分からない
店のエプロンを身につけていた。
海の近くだから、潮の匂いがほんのりする。弱すぎず強すぎない風も通っていて、すごく気持ちいい。
『どうぞ。』
「ありがとうございます…」
手書きの使い古したメニュー。でも、汚いとか古いとか思わせないおしゃれなメニューだった。
『今なら何を頼んでも作ってくれるはず。好きな物選んでね。』
「おすすめは…?」
彼は、メニューの後ろにある小さな料理を指さした。
おすすめのメニューではなさそう。
『これ俺が好きなやつ笑 おすすめよりもおすすめだよ。』
と、ニコッと笑った。
「じゃあ…それで。」
『ありがとう。』
と、首からさげた様々なボタンが付いたリモコンを厨房に向かって押した。
『これね、押すと厨房に信号が行くの。そうしたら父さんが作ってくれるんだ。』
すると厨房から何かを作る音が聞こえた。
『今作り始めたよ。それまで海で遊ぼっか。』
と、手を引っ張って店から出た。