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自作奇病

現在形悪夢症

寝ると過去にあった嫌なことが今起きていることのように夢に出てくる。

感覚などがあり、痛みなども感じる

進行すると恐怖で眠れない、最悪の場合自殺してしまうなどと言うケースも多くみられる。

治療法

これは二つ方法がある。

・嫌なことをもたらせた相手との溝を埋める。

・嫌なことをもたらせた相手を殺す。


奇病って言うよりなんかありそうな病気みたいな感じかもしれない。


俺には誰にも言ったことのない秘密がある。

それは、『奇病』を持っているということだ。


第一話【始まり】

始まりはあの時だ。

妹が幼馴染みの大切にしていたものを壊して俺のせいにて、俺は幼馴染みに一生残る傷をつけられた。

そして、次の日の夜あの時起きたことがまるで今起きていることのように夢に出てきた。激痛も走りとっさに目が覚めた。

その日はただの悪夢だと思っていた。

何日も何ヵ月も何年もその夢は続いた。

中学1年の時、この事を学校にある相談室の先生に話した。

するとこんなことを言われた。

『今度家族に精神科に連れていってもらいなさい』

と。

とりあえずその週の土曜日に兄である武臣に精神科に連れていってもらった。

武臣は診察室の外にある椅子に座って待っている。と言い、俺は1人で診察室内に入った。

春「昔にあった嫌なことが寝ると夢に出てきて、痛みも感じるんです。感覚とかが夢なのにあって…」

医「感覚がある…明司さん、少し待っていてください。」

春「はい。」

五分ほどたっただろうか。

医者が戻ってきて俺に伝えた。

医「現在形悪夢症です。」

春「現在形悪夢症…?」

医「簡単に言えば、過去にあった嫌なことがまるで今起きているかのように夢に出てくることです。」

春「結構そう言う人多いんじゃないんですか?」

医「明司さんは感覚があると言う点が普通のケースとは違います。」

春「治療法は…」

医「二つあります。夢に出てくる嫌なことを自分にした相手との溝を埋めるかその相手を殺す。」

春「そんの溝を埋める方が言いに決まってる!!」

医「…これは思っているほど簡単なことではありません…だから、相手を殺す。と言う選択をする人もいるんです。」

春「俺は…できます!」

医「頑張ってください」

このときは思っていたんだ。

簡単なことだと。

でも実際自分にこんな傷をつけて夢に出てくるまでの恐怖をもたらせた相手に仲直りしようとか気軽に言えるわけがない。

だから俺はあの人についていってどんどん関係を直していこうと思った。

でも逆に亀裂がどんどん大きくなって溝も埋めるどころか深まっていく。

でも俺は諦められなかった。

あの医者が言った『殺す』と言う選択は絶対に選びたくなかった。

でもあの夢を十数年と見続けると殺すと言う選択の方が楽だと思ってしまう。

それか、自ら命を絶ってしまおうか。と言う考えも頭の隅にチラチラと見えている。

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