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だって好きだもん

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第6話

♥

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2024年05月01日

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「ホバ、そろそろ行く時間だぞ?」

「待って!ねぇ、こっちとこっち、どっちが良いかな?」

「……今日は、着替えも多いし、こっちの方が良いんじゃないか?」

「そっか。分かった、ありがとうジュナ!」


…最近、ホバの調子がとても良い。前は、女性スタッフさんが俺に近付いてきただけで丸一日怒っていたというのに、


『…うん。そんな事もあるよね』


で、済むようになった。また、挨拶のハグを長めに取る人に対しても、


『…うん…挨拶は大事だし』


と、切り替えている。…物凄く眉間に皺は寄っているが。…あくまで推測だが、仕事が増え、俺がリーダーという事もあって、少しは自重するようになったのだろうか。と言っても、今までの仕事の時も必要以上にくっついてくる事はなかったな…帰ってからが大変ではあったけど。


「ジュナ」

「…ん?」

「何処見てるの…凄く遠いとこを見てたよ?」

「あぁ……少し、考え事を……俺たちの今後をちょっと、な」


まぁ、間違いではないし。


「今後……?何で?僕何か悪い事したなら謝るから…!」

「!、いや、違う。そういう意味じゃない」

「嘘!さっきから僕の方を見てくれないのもそういう事なんでしょ?言ってよ!嫌だよ別れたくないよお願い!」

「違う、ホバ。落ち着いて聞いてくれ。今後って言ったのは、防弾少年団の事だよ」

「……………ほんと?」

「あぁ、本当だ。仕事も増えたし、出来る事も増えた。…後は、俺たちがどう進んでいくべきか、それを改めてメンバーで話したいと思ってな」

「……そ、う……そう、か………はぁ………」

「心配させて悪かったな」


切り替えられるようになったが、いかんせん不安定だ。すぐに良くない方に考えてしまうようで、この間も仕事中だというのにパニック直前になってしまったのだから。すぐに察したジミナがフォローを入れてくれたからすぐに治まったものの、仕事中にあんな事になるのは初めてだから驚いた。…俺が思ってる以上に不安なんだな……


ぎゅっ……


「…ナムジュナ…?」

「…大丈夫だから。もっと俺を…そして、メンバーを信じろ」

「……ジュナを………う、ん………ごめんね?」

「いや、謝る事じゃない。ただ、俺が言いたかっただけだ」

「……うん、分かった。そうするね。……あ、そうだ。これ、作ってきたの。小腹が空いた時にでも飲んで」

「………あぁ、ありがとう」


俺に出来るのはこれだけだ。でも、それで少しでもホバの気持ちが前を向いてくれるなら…一度抱きしめてから、再度顔を見ると、いつもの顔に戻っている。良かった……と思ったのも束の間。自分の鞄からゴソゴソと何かを取り出したと思ったら、真っ赤な液体が入ったボトルを渡された。


「……ちなみに、何が入ってるんだ?」

「んー?クランベリーと、ザクロと、ブラッドオレンジのジュース!」

「……他は?」

「…ちょびっとだけ、僕のも入ってるよ?美味しく飲んで欲しいから、味が何も変わらないように調節したの!」

「……そうか」


…可愛い笑顔、のはずなんだが……何故、こんなにも目に光がないのだろうか。

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