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いずれ死ずる君へ。

いずれ死ずる君へ。

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第4話

♥

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2023年04月30日

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ここ数日間、僕は毎日病院に行った。

貰っている薬を飲んで何か変わった事は無いか

いつも先生と話している。

飲み始めの頃はきちんと効いているような

そんな気分だった。

でも最近は酷くなっているとしか思えない。

病院の後に学校に行って、授業を受けていると途中で目眩がして暫くその時の事を思い出せなくなってしまう。

その記憶が無い間に母か晶の事を思い出せなくなっているとしか思えない。

先生にはもちろん相談はしたけど、今はまだ

他の出すべき薬が分からないから待ってくれと

そう言われた。

もし、このまま2人の事を同時に忘れたら僕はどうしたらいいんだろうか。

今は晶の事が分からなくなっている。

一応どちらかの事が頭から抜けても

2人の事をまとめたメモ用紙は常に持っている

今日は学校で2回程思い出せない時間があった

一昨日は1回。明日は、何回なんだろうか

もし日に日に回数が増えたらどうしたら

いいのだろうか。常に不安が大きかった。

2人のどちらかを忘れてしまうくらいなら

死んでしまおうかと思って何度も自傷しようとした。

僕の精神は、明らかに限界だった。

それでも2人はいつも「大丈夫や」「きっと思い出せるから、待ってるね」とそれぞれ声を掛けてくれた。

それが何よりも救いだった。

僕も頑張らなきゃと思った。


ある日病院に行くと、先生はいつもと違って

深刻な顔をしていた。

「先生、どうしたんですか。」

僕は首を傾げる。次に先生が口を開いて出た言葉は

 君の病気の治療方法が見つかった。

と一言。僕は嬉しかった、でもそれと同時に

なんでそんな深刻そうな顔をしているのか、

気になってしまった。

「どうやったら治るんですか、!?」

僕はつい食い気味に聞く。先生は少し戸惑って

「片方の精神を 殺 せば治るかもしれない」

つまり、先生が言うには片方の精神を殺せば

その精神の記憶が残された精神に入り込むかもしれないらしい。

僕は混乱した。精神を殺すなんてどうやるのだろうかと。

次はその方法を探すから、もう少し待っていてくれと。

注意事項は 必ずしも2人の記憶が戻るわけではない ということ。

僕はその言葉を聞いて、少し希望を持てた。

治るかもしれないんだ、と。

きっと2人の記憶が戻る、大丈夫。

そう信じながらももし片方を忘れる事に

なってしまったら、どちらを諦めるべきか

部屋で1人考えた。

いずれ死ずる君へ。

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