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俺の好きな人は余命宣告を受けていた
俺はその事を知らなかった。
会うことの出来ない存在となった後、
その子の親友から色々と教えてもらった。
病名は『 不明』だったこと、治療法が無いこと
死ぬ1時間前までは症状が出ないこと。
俺はずっとその子のことが好きだった
でもその子は俺には心を開いてくれず
俺には振り向いてくれなかった。そう思っていたのに…忘れもしないあの日
俺の好きな人は同じ部活だった。
今日こそ話しかけると決めていたのに足がすくんで声をかけに行けなかった。
彼女はいつもニコニコしていて今日もずっとニコニコして皆と話していた。俺はそんな〇〇が好きだった。
話すことの無いまま部活は終わってしまった
いつも通り帰ろうとした時声をかけられた
間違えるはずのない〇〇の声だ
〇〇は俺に
『今日、一緒に帰りませんか?』って言ってくれた。俺は急に声をかけられた事に驚いて少し困ったような顔で
「いいですよ。」って答えた。俺と〇〇は帰り道が一緒だった 2人で帰っていると突然〇〇に
『 私がいなくなっても私のことを覚えていてくれますか?』と聞かれた。俺は突然の質問に戸惑いすぐに答えることが出来なかった。
しばらくの沈黙のあと俺の口から自然に言葉が出てきた「忘れるわけないよ」
暗くて顔は見えなかった
〇〇はこの時どんな顔をしていたのだろう。
ついに別れ道まで来てしまった バイバイって言いたかったのに言葉が出てこなかった
後ろから〇〇の、声が聞こえた
『〇〇くん!今までありがとう!私から最後のお願いです。夜の11時にLINEを見てください!』
突然言われた最後のお願い 俺にはこれが何を意味するのか分からなかった。きっと明日も会えるそう思っていたから俺は返事をしなかった。
22時00分
俺はLINEを見た。〇〇からLINEが来ていた
今までありがとう!〇〇くんさ私に生きる希望を与えてくれました。私はそんな〇〇くんが大好きでもっと仲良くなりたかった。でも無理でした。ありがとう〇〇くんさようなら
このメッセージを見た瞬間俺はパニックになった
〔さようなら〕この言葉が頭の中で何度も何度も
繰り返された。
焦ってLINEを返したが、既読がつくことは無かった。
その次の日俺は〇〇が亡くなったことを知った。
〇〇の1番の親友以外誰もそのことを知らなかった
〇〇のいない世界で生きる意味は無かった
俺はただ〇〇に伝えたい
「俺は〇〇ことが好きです」
24時00分
俺は〇〇に会うために
この世に別れを告げた