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依頼主の子は見た目からみて大体4、5才ぐらいの女の子だった。
気温に合わないほど長いワンピースを着ていて、あまり手入れしていないのか長く伸びきった髪と何故か傷テープだらけの肌が印象的な子だった。時折風に吹かれて長い前髪が風になびくと綺麗な緑色の目が見えた。とても整った顔立ちで可愛い子だなあと思った。
ワンピースには土がたくさん付いていて、僕達を待っている間もずっと遊んでいたのだと思う。
「(…でも、ずっと1人だったのかな…)」
周りに人はいなかったし、親御さんらしい人もいない。1人でここに来て1人で遊んでいたのだろうか。
「それで、依頼内容は?」
「お父さんと、お母さんが、もう喧嘩しないようにしてほしいの!」
「…?」
「お父さんとお母さん…なんだ、今喧嘩していらっしゃるのか?」
「私が寝た後がたがたって音がしてね、一回それでね、起きちゃってなんだろう、って見に行ったらお父さんとお母さんが、喧嘩してたの。」
「…なるほどな。」
「まあ、一回家を訪ねてみるか。丁寧に説明してくれてありがとな。」
「うん!どういたしまして!」
「よし、お前もいくぞ。」
「はい。」
「それで、お家はどこなんだ?」
「すぐそこだよ!」
「じゃあ案内してもらえる?」
「うん!ついてきて!」
「お父さんとお母さんの喧嘩…か。」
「ん?どうかしたか?」
「いえ、なんでもないです。行きましょう。」
「ついたよ!」
「よし、じゃあ家を開けてもらえるか?」
「うん!」
ガチャ
「ただいま〜おねえちゃん。」
「あ、おかえり。…その人たちがプロパティの人なの?」
「そうだよ。来てもらったの!」
「そっか…。」
「私はその子の姉です。わざわざ来てくださりすみません…妹がどうしてもって…」
「いえいえ、こちらこそ。」
「親御さんは今、いらっしゃらないんですか?」
「はい、まあそろそろ帰ってくると思うので少々お待ちください。」
「分かりました。」
お姉さんはこころよく僕達を家の中にあげてくれた。家の中はとても綺麗できちんと整っている感じがした。
「あ、帰ってきたみたいです。呼んできますね!」
そのまま客室らしきところに僕達を案内した後、そう言ってぱたぱたと走って玄関に行ってしまった。
少しして、ガチャとドアの開く音が聞こえる。
「失礼します、えっと…プロパティの方と娘から聞いています。すみませんね、ちょうど出かけていたところでして。」
「こちらこそ、家にまであげていただいて…。」
「改めまして、プロミスパーソナリティーのきなこです。そっちのうさぎも一応プロパティです。どうぞよろしくお願い致します。」
「よろしくお願いします。」