第10話 「しあわせ」を食す。

そういえば私って何でも食べれちゃうんだっけ。オセロも、トランプも、鈴蘭も、布も、草も、不潔な水も。あと皆の大切な時間も食べちゃったな。食を極めたというよりかは、生きるために食べたな。いや、鈴蘭はﾀﾋぬためだったけど。今まで大変だったけど今日全て無くなるんだから全部チャラだ。良かった。もっと大変になってからだと嫌だし、この選択は正解なはず。私の力で正解にしなくては。

今日のカレーには隠し味を入れようと思う。今まで色んな物を食し、いきが良かった生き物の串刺しだ。何円だったかはしらないけど今や大分価値が落ちてしまった。それは大変だと思ったけど何でも食べられる私なら食べられるはず。だから入れてやろうと思う。血がすごくてカレーに入れるのには向いていないけど別にいい。喉が潤せるなら。

珍しくテーブルをお洒落に飾った。中央には花を置き、グラスの下にはコースターを置いた。テーブルクロスも敷いた。照明は全部消した。

誰か読む人のために手紙は綺麗な文字で書いた。さっきまでその誰かのために部屋を綺麗にしていた。また汚れちゃうけど。

さてさてお待ちかねの記念日。ロウソクなんて付けない。でもそれでいい。

私はこのために買った鋭い高い包丁を持ち、覚悟を決めた。ハッピーエンド皆。ハッピーエンド地球。全部ハッピーエンド。命に感謝。そして……

皆様の幸せを食してごめんなさい