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「ね、ねぇ清華ちゃん!」
中学生になった時、小学校の時に嫌いだった奴が話しかけてきた。
だから、私のターゲットはコイツになった。
良い遊び道具じゃん?
だから私は、わざと仲良くした。
人間って上げて落とした方が傷つくじゃん?
宿泊学習も、学校祭も、全部一緒に過ごした。
嫌いやつと過ごして、笑顔で過ごす。
私に嫌われてると知らずに話しかけてくる姿はとても面白い。
笑顔で遊んで、買い物に行って。
ある日、その子に、
「私達、親友だよね!」と言われた。
笑える。何処が友達なんだろうね。一方的に思っているだけじゃん?
私は、ついに1年の集大成として、ボイスドラマを作った。
題名、いじめの証拠 なんてね。
その子と仲良くしたのは全部ウソだ。
その顔を見るのは、とてもとても気持ちが良かった。
「私、信じてたのに…信じてたのに…」
泣き叫ぶ顔は傑作で。
でも、この子は私を陥れた奴っていうレッテルを貼られた。
だから、この場ではただの悪人だ。
私のことを勝手に信じたのはコイツで、他の誰でもないんだから。
周りの馬鹿は私をいじめられっ子だって勝手に認識して優しくした。
だから、私の地位は確立されたんだ。
この一件があって以降、私の周りは人で溢れた。
だって私はあくまでも、可哀想な悲劇のヒロインだもん。
それから時は経って中3。
私は勉強も頑張ってたから、先生から有名な難関高校の受験を薦められて受験した。
でも、受験には落ちた。
信じられない。
私の1個上の順位には、「軒原麻衣」の名前があった。
麻衣さえ居なければ、私は合格だった。
「麻衣、合格したの?良かったじゃん!私は落ちちゃったからな…春から別の高校かぁ…」
「まぁまぁ、私も一個ギリギリだったし…それに家も近いしすぐ会えるよ!だから結梨も頑張って!」
目の前で2人の女子生徒が話してた。
私は、麻衣のせいにしようと考えた。
私はその場に居た職員に、「麻衣がカンニングしていた」という嘘を伝えた。
丁寧にメモ用紙でカンニングペーパーまで作った。
即座に麻衣は呼び出された。
でも、嘘がバレた。
嘘だ。嘘でしょ?
今まで嘘をついて、全てバレなかった私が…?
バレた理由は至って単純だった。
麻衣の解答用紙の字体とカンニングペーパーの字体が違ったから。
おまけに、私の字体と一致してしまったからだ。
私は嘘がバレて、親が呼ばれた。
でも、私の親は私が幼稚園の時と同じように怒り始めた。
試験会場の職員は、呆れて私達を追い出した。
「麻衣にカンニングの疑いがかかってたの?可哀想…」
結梨、と呼ばれていた女の声が聞こえた。
可哀想なのはどっちだ。
私はアイツを許さない。
私は麻衣を、結梨を許さない。
一生。
私の人生を邪魔した罰は重いんだから!