この物語はフィクションです。

実在の人物、団体、事件等には一切関係ありません

　僕らの間にはオレンジ色の沈黙だけがあった。

　夕焼けの時間でなければ、外から楽しげな小学生らしき子供たちの声が聞こえていなければ、僕は無意味な笑いを漏らしていたかもしれない。

　沈黙は心を少しだけ押しつぶした。

「栗橋さんは、三年後の僕。僕は三年後にまた夢にとらわれ、そしてゲームオーバーになって」

　高梨は僕をじっと見ていた。

　何も言われない事が、これほどまでに心強いとは思わなかった。

　彼は全身で、僕の話を聞くと言っているように思える。

　それが、これほどまでに心強いとは。

　思ってもみなかった。

「夢……なんだけどね。実際にそうなるかなんてわからないけど、でも」

　ただの夢の話。

　それでも高梨は、真剣な表情で頷いてくれた。

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