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【 僕を救った神様 】

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【 俺を変えた少年 】

♥

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2023年08月14日

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【 俺を変えた少年 】


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俺は生まれた時から

平々凡々な生活をしていた。


何も不自由じゃない

虐められたことも無い。


そんな人間で

「 誰かの為に 」

なんて、あまり考えたことがなかった。


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そんな人生のある日、

俺は会社が休みだったから

昼ご飯を買いに行こうと思って、


少し暑い陽を背に道路を歩いていた。


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俺はいつも、下を向きながら歩く癖がある。


でもその日は、なんだか

前を向いて歩かなくちゃいけない気がしたから

前を向いて歩いていた。


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そして、曲がり角を曲がった

その時だった。


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下を向いて歩いていて

裸足で

少しよろけた制服で歩いている

青色髪の高校生っぽい子がいた。


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俺は少し小走りをして

その子に追いつき、手を掴んだ。


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その子は振り返ったけど

俺と目を合わせない。


下を向いているわけじゃないのに

何故だか全くと言っていいほど

目が合わない。


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その子の特徴は

空色の髪で、目の色は俺に似てるけど

少し違う青色だった。


でもその青色は海のような青ではなくて

少し、くすみがかったような

この世を全て呪っているような瞳だった。


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俺はそんなことを頭で考えながら

こう聞いた。


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「 学校は? 」

「 逃げ出したの? 」


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その子は下を向いてしまった。


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でも、何か言いたそうな

雰囲気だったけど

その子は何かを口にすることは無くて


数十秒経っても、黙ってた。


だから俺は、少しでも

安心して欲しいから

こう言ったんだ。


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「 良く頑張ったね 」

「 よく、勇気を出して逃げ出したね 」

「 偉いよ、君はとっても偉い 」


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普通の人が聞いたら

鼻で笑われるような言葉。


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でも、その子は笑わずに

ただひたすらに泣いていた。


嗚咽が出るほど泣いていたんだ。


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俺はそっと、その子を抱きしめたくなった。


でもこの子に嫌われるのは嫌だったから

あえてしなかった。


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数十分もしたら泣き止んで

俺の方を向いて


その子の中で何かが変わったように

ケロッとしながら笑っていた。


さっきとは違う、

透明感のある青い目を輝かせながら。


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俺は次の日から、

スクールカウンセラーの勉強を始めた。


きっと、学校で悩んでいる子が多いから。


俺はそんな子達の

力に、支えになりたいから。


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人は誰かのちょっとした


行動で変われる。


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良い意味でも


悪い意味でも。


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俺は


誰かの力になりたい。


たとえ、

自分の無力さに打ちのめされても。


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それが、” 人を救いたい “


なんて思ったことない俺の、


初めての挑戦と勇気。


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本当にありがとう。


空色の髪で


透き通った青色の目を持つ


どこかの高校生さん。


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また、会えるといいね。


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このシリーズ、結構上手くいった。


まぁ、シリーズ化する予定なんて

無かったんだけどね🤪










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