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🇫🇷日本君じゃないか、こんばんは


🇯🇵あら、フランスさんこんばんは







ある日、偶には早く就寝しようかと思い、僕は布団に入った。

ーーが、一向に眠りにつかないので仕方なく、夜の散歩に出掛ける事にした。




誰もいない、静かな道を1人、ゆっくりと歩く。

ふと、空を見上げれば真ん丸お月様が浮かんでいる。



🇫🇷こんばんは、お月様



そう言い、僕はお月様に向かって手を振る。

第三者から見れば不思議に思われるかもしれない。けれど今は誰もいないから別に良いだろう。



ー…ピタ、と僕は足を止める。

そんな僕の目は、ある一定のものを見定めていた。



🇫🇷…桜かぁ



僕の目線の先には公園がある。

その公園には綺麗な桜が街灯に照らされ、風に揺られ、連なって立っていた。


桜って日本君の所のだよね?

春に咲く花…



🇫🇷…ああ、もうそんな時期か




折角だし、散歩がてらに見て帰るか。


僕はそう思い、公園に足を踏み入れた。




🇫🇷…あれ?


桜の咲いている近くに誰かがいる。

こんな時間にお花見だろうか?その人はベンチに座り、ペットボトルを手にしていた。



ん?あの後ろ姿、見た事があるような…


そう思いゆっくりゆっくりと、その人に近づいてみれば、その人が誰だか分かった。





日本君じゃないか






🇫🇷こんな所で何してるの?お花見?


🇯🇵えぇ、そんなところです、さっき仕事が終わって、折角だからとこの公園に見に来たんです



僕は日本君の隣に座る。


確かに言われてみれば、日本君は足元に鞄を携えていた。

それに日本君の顔をチラッと見ると、相変わらず目の下の隈が目立つ。



🇯🇵本当はそのまま帰りたかったんですが、暫く桜を見ていなかったので、今年はと思いましてね…



そう言いふふっと笑う日本君は、いつも見る日本君ではない、どこかミステリアスな雰囲気を纏っているように見えた。



🇫🇷…そっか



僕は目を細め、桜を見る日本君を見つめる。




トクンッと、自身の胸に鼓動が鳴るのを感じながら





🇯🇵…?フランスさん?



僕はソッと、日本君の手の上に自身の手を被せる。

そんな僕に日本君が不思議そうに首を傾げる。




🇯🇵…んっ




僕はそんな日本君の唇に優しくキスをした。




🇫🇷ふふっ、やっぱり君は桜に1番似合ってる




日本君の唇から離れ、日本君の顔をソッと手で包み込む。



🇯🇵…そうですか?



そう言い、ふふっと笑みを溢す日本君は、桜と同じ淡いピンク色の頬をしていた。




🇫🇷…ねぇもう少し一緒にお花見しない?桜って散るの早いし


🇯🇵そうですね






『終』

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