目黒ー岩本くん、どうしたらいい？

岩本ーそいつ、いつもいるの？

目黒ーいる。

岩本ーマネージャーに言って写真撮ってもらおう。　お前は名前を聞き出して。

目黒ー分かった。

目黒はマネージャーに言って写真を撮ってもらう事にした。

何故ですか？

と聞かれてうちのグループにとって要注意人物だと言った。

名前はすぐ分かった。

高橋というらしい。

あの、声をかけられた日から時々高橋は目黒に話しかけてくる。

だいたいが阿部の話だ。

頭がいいわりに気取ってないから好感が持てる。

舞台を見にいったけど女形はその辺の女より綺麗だった。

スタイルがいいから何着ても似合うと思う。　などなど。

目黒は拳を握りしめて聞いていた。

内面がない。

表面だけで好きだという。

誰もが知っていることを自分だけのことのように言う。

こんな男を阿部に近づけるわけにはいかない。

目黒の家のベッドの中。

阿部は目黒にしがみつき暗い顔をしている。

目黒ー今日はちょっと変だったね。

阿部ーごめんなさい。

目黒ーあの男のこと気になるの？

阿部ー怖くて眠れない。

目黒ー俺や皆んながいる。

阿部ーだけど怖いから外に出られない。

目黒ーそれで、あんな顔が分からないような変装してきたの？

阿部ー俺の家知られてるかなぁ？

目黒ーどうだろう？

阿部ーめめ、怖い。

阿部は目黒の腕を抱きしめ震えてる。

一緒にいた方が安心する。

どうだろう？

目黒ー亮くん。

阿部ーん？

目黒ーここに来る？

阿部ーめめの家に？

目黒ー一緒にいたら怖くないでしょ？

阿部ーいいよ、迷惑になるから。

目黒ー迷惑なんかじゃないけど。

阿部ーん〜皆んなに相談しよう？

目黒ーそれでいいの？

阿部ーん。