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第9話 嫌われた

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2022年06月11日

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掴んだ手の先を見ると、そこにはいるはずのない翔太くんの姿があった。


翔太『間に合って良かった…!』


安心した様子の君。

私の頭の中はハテナマークでたくさん。

なぜここに君がいるのか。なぜ私を助けたのか。分からないことだらけだ。


私は思わず聞いた。

○○『どうして翔太くんがここに…?』

翔太『散歩してたら○○さんの姿が見えて、ここに来た時にはもう落ちそうになってたから助けた。』


当たり前のようにそういう彼に私は違和感を覚えた。

なぜ私のことなんか助けたのか。


○○『なんで私のことを助けたの?』

翔太『なんでって、人を助けるのは当たり前でしょ?』

翔太『俺からも質問していい?』

そういう彼に私は頷く。

翔太『どうして飛び降りようと思ったの?』


やっぱりだ。どうせこのことを言われると思っていた。

どうしてって、あなたのせいだよ。あなたがこんなにも私のことを好きにさせたからだよ。

好きすぎておかしくなりそうなの。全部全部あなたのせいなんだよ…。


○○『翔太くんのせい…』


こんなことを言わなければよかった。また勘違いさせてしまうかもしれない。そう思った時にはもう遅かった。


翔太『やっぱりな。俺のせいだよな。ごめんな。』

翔太『じゃあな。』

○○『待って!!』

翔太『どうせまた何も言わないんだろ?知ってるよ。そんぐらい。俺のこと嫌いなんだろ?もう関わんな。』


「関わんな。」その言葉がひたすら私の頭の中をクルクル回る。







あぁ。私嫌われたね。

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