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続き書く気無いのでゴミ置き場で
「お主は….、」
「き、みは、…楓原家の…?」
出会ってしまった。
あの楓原家の末裔と、旅人から彼の話を聞いた時、もし会ったならどんな会話をしようかと考えていたけれど、いざ話しかけられると口が回らない。
「うむ、拙者は楓原万葉と申す。」
「そう…..。」
「そうでござるな…..、」
「…..、」
気まずい沈黙が流れながら
少しの好奇心に負けてちらりと楓原家の末裔を見る。
….それにしても、本当に丹羽とよく似ている。
赤いメッシュの位置は反対側になっているけれど、それでも丹羽の血縁だと分かるし、だが何が似ているかと言われれば、それくらいしか言えない。
けれど、どこか、どこか全体的に似ているのだ。
というか纏う雰囲気からしてもう丹羽のそれなのだ。
それに、口調も同じだし、こいつの後ろに太陽でもあるのかと思うほど、眩しい。
対照に自分はというと、ずっと黙っていて、自分のことが嫌いなのかと捉えられそうなまである。けれども、こいつはニコニコと笑っている。
「…..ところで、君は、何故…ここに、」
「うん….?あぁ、ええと、旅人殿から」
ここで待っていて、と….
そう告げられると、丹羽と似ているこいつの目の前にいるという緊張よりも、旅人に対する怒りが湧き上がる。
あいつ。やりやがった。次会ったらどんな目に合わしてやろう?はぁぁぁぁ……
なんなんだマジで。今すぐにでもここから撤退して、旅人に右ストレートを食らわせてやりたい。が、楓原万葉からすれば、旅人に呼び出されてよく分からん輩にキレられるということになる。もしまた会った時に怯えられて会いたくないと言われてしまってはとてつもなく困るので、そこはグッと抑えて、彼との会話を優先する。
「…君も可哀想だね、いいよ。今日のところは解散としよう」
「いや、此処で待っていよう。一応、此処で待っていろと言われたのだから。」
….なんだこいつ。
真面目過ぎないか、僕なら用がないと分かればすぐ帰るものを。
そういえば、丹羽もどこか変なところ、頑固だった記憶がある。
例えば、酒が弱いくせに酒瓶をもってまだ飲むだとか半分寝ながら言って、それでも家に帰って寝ようとはしなかったことだとか
あとは夕餉を作っていた時、自分の腕は焼けたり焦げたりしないからと、沸騰した油に手を突っ込んで温度を測っていたところ、なんの外傷もないのに包帯を巻きまくって意味もない手当をしながら、もうやらない。と言うまで説教され(てそれから料理を1人でやらせてくれなくなっ)た事だとか…。
数百年前の記憶は、先日のように鮮明に思い出せる。
ふ、と鼻を鳴らして笑えば、楓原家の末裔が何かあったのでござるか?と首を傾げる。