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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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次の日、グリフィンドール一家はロンドンにある魔法族のための商店街・ダイアゴン横丁へ足を運んだ。

「それじゃあ、まずはどこへ行きましょうか」

「マダム・マルキンの店はどうかな?あそこで仕立ててもらう間に他で買い物ができる」

「そうね、そうしましょう」

一行は洋装店のマダム・マルキンの店に向かった。

「いらっしゃい」

そうふくよかな体型の婦人店主が声をかけてきた。

「ホグワーツの制服を、と思ったんだが」

「ホグワーツね。坊ちゃんとお嬢ちゃん、あそこの採寸台に立ってちょうだい。今からサイズを測りますからね」

そう言ってマダム・マルキンはケイティとラフを採寸台へと促した。

そしていくらか採寸した後、「1時間ぐらいで出来上がるわ」と言われ、一家は店をあとにした。

「ここからは二手に別れましょう。その方が効率がいいわ。」

ローズの一言でケイティはルーカスと、ラフはローズと一緒に別々の店へ行くことになった。

「それじゃあ、まずオリバンダーの店に行こう。」

そうしてケイティとルーカスは杖専門店・オリバンダーの店へ行った。

オリバンダーの店は古くて埃っぽく、カビ臭かった。閑散とした店構えで、中に入ると何千という箱が棚に高く高く積み上げられていた。

カウンターには誰もいなかったが、店の奥から「いらっしゃいませ」と老人の声が聞こえた。

「ああ、ミスターグリフィンドール。今日は杖の点検で?」

「いや、娘が今年からホグワーツなのでね。杖を買ってやろうと思って」

「そうでしたか。おぉ、あなたがケイティ・グリフィンドールですね」

そう言いながらオリバンダー老人はニコニコと巻尺を取り出し腕や肩などの長さを測りだした。

「杖腕はどちらで?」

「右です」

ケイティは緊張気味に答えた。

そしていくらかして、オリバンダーは巻尺をしまい、店の奥へと消えていった。ケイティは疑問に思ったことを父にぶつけた。

「ねえ、パパ?こんなに沢山杖があるのにどうやったら私にピッタリの物が見つかるの?」

「私も20年前、初めてここに来た時同じことを思ったんだ。だからオリバンダーに聞いたんだよ同じことをね。そうしたら言ったんだ。『杖が呼ぶのだ』とね。私には当時理解できなかったんだが」

微笑みながら言う。そしてオリバンダーはツンとかび臭い箱を持って戻ってきた。

「おまたせしました。まずはこれを…ぶどうの木、ドラゴンの心臓の琴線、25cm、よくしなる。」

渡された杖をケイティは一振してみた。しかし何も起こらない。他にも何本も試したが何も起こらず、オリバンダーは「不思議だ…」と呟きながらまた店の奥へ消えていった。

「わたしは本当はスクイブなんだわ…!だから私に合う杖が見つからないのよ」

「そんなはずはない。スクイブだったらまずホグワーツから入学許可証は届かないさ。確かにケイティの場合少し時間がかかっている気がするが」

軽く癇癪を起こしかけているケイティを慰めるようにルーカスは言った。

五分ほどした頃だろうか。ようやくオリバンダーが戻ってきた。

「おまたせしました。これならどうでしょう。あまり合う人がいないので店には置いていない材木だが…アカシアの木、不死鳥の尾羽根、31cm、頑固。さあこれを」

手渡された瞬間、ケイティは今までにない感覚を覚えた。指先からじわじわと暖かくなってきたのだ。風を切るように杖を振り下ろす。すると、金色の火花を散らしたのだ。

「おぉ…!これですぞ!何たることや、こんなことが起こるなんて…」

興奮気味のオリバンダーにケイティは問う。

「何がすごいんです?」

「いやはや、貴女様は偉大なる魔女になりますぞ…ダンブルドアよりも偉大な魔女にだ」

「ダンブルドアよりも?そんなまさか」

「そのまさかなのですぞ」

「でも私、魔法なんてまだひとつも出来ないわ」

「だがなるのです」

「ケイティ、そこまで自分を過小評価するのはやめなさい。もしかしたらまだ表面に出ていない才能があるのかもしれない。オリバンダーが言うんだ。信じてみなさい」

「わかったわ」

そして、7ガリオンを支払い店を後にした。どれほどの時間をオリバンダーの店へ費やしたのだろうか。まだ明るかったはずの外が店を出ると夕焼け色に染まりかけていた。

「遅かったわね」

店を出るとローズとラフが待っていた。不思議そうに見つめるローズに「後で話がある」とルーカスが言う。

「教科書も何もかも買ったわ。ひとつ、クィディッチ用具店に行きたいんだけど…研磨剤が切れそうなの」

「ママ、僕も行くよ。クィディッチのグローブがすり減ってしまって」

そしてクィディッチ用具店に向かう最中、ふくろうの店を見つけるなりケイティが言った。

「ねえ、ふくろう買ってくれない?」

「いいわよ。すっかり忘れていたわ。ホグワーツのふくろうは老いぼれが多いから」

そして杖選びの10分の1のスピードでフクロウを選び、本命のクィディッチ用具店に言った。ショーウィンドウには様々なデザインの箒が並んでいた。中でも【ニンバス2000】と書かれた箒には多くの子供が集まっていた。ケイティもその中の一人に紛れ、うっとりと見つめていた。

「ケイティ、ダメだよ。1年生は箒の持ち込みは禁止なんだ。来年以降選手に選ばれたら上等なものを買ってやろう」

「ほんとに?約束よ?」

「ああ、もちろん」

そして買い物を済ませたローズとラフと共に、帰路へ着いた。


To be continue……

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